Everyone says I love you !

こちらではお初にお目にかかります。弁護士・元ロースクール教授、宮武嶺の社会派リベラルブログです。

セブン


 やっと平熱に戻りました。

 熱が続いている間は、一本の映画を最後までなかなか見ることが出来なかったのですが、今日はいい映画を2本も見ることが出来ました。

 1本目は、NHKBSハイビジョンで、『スクール・オブ・ロック』

 もう何回目を見ることになるかわからない、大好きな作品で、最後に残ったウィルスや細菌を吹っ飛ばしてくれました。
 
 バンドを追い出されたロック狂の男が、友人になりすまして、名門小学校の補助教員になり、クラスの子ども達と、「バンド・バトル」に挑戦する、って話なんですが、主演のジャック・ブラックは、コメディアンとしても最高、絶対に本人がロック狂に違いないと思わせる大熱演。子ども達、他の先生たち、親たちとの絡みも爆笑の連続で、病み上がりの私、元気のないあなたに最高の一作です。

 私の最も好きな映画の変遷
40代 スクール・オブ・ロック
30代 ニュー・シネマ・パラダイス
20代 ザ・アウトサイダー(主題歌がStay Gold !)
10代 アラビアのロレンス

 確実に知的退化が感じられるラインナップとなっております。


 さて、元気になってきた私が、スターチャンネルを回していてぶつかったのが、『セブン』

 病み上がりに、観るかどうか、悩みました。

 世間的には批判も多い作品だと思いますが、僕は好きでした。やっぱり観ました。

 キリスト教の七つの大罪(憤怒・嫉妬・高慢・肉欲・怠惰・強欲・大食)に従って連続殺人が行なわれるという作品です。
 グウィネス・パルトロウ、ブラッド・ピット、モーガン・フリーマンとあと一人の名優の演技が素晴らしいのですが、それだけに、救いのない映画です。是非、心身ともに元気なときに観ていただきたいです。

 1995年。
 
 初めてハリウッド映画を見て、「ああ、これが今のアメリカなんだろうな」と感じた作品です。もちろん、アメリカでしょっちゅう連続猟奇的殺人事件があるわけではないのですが、アメリカの時代と気分がフィルムに溶け出しているような作品でした。

 もっといえば、弁護士5年目の駆け出しながら、しょっぱなからスタートダッシュでよいと思うことは何でもチャレンジして、事件と運動にがんじがらめ。自室に帰るのが面倒くさくて、事務所の地下室や事務机の上に寝て、コートを羽織って寝ていたような、バリバリ仕事をしているようで実は酒量も増え、スランプ、という、そんな自分の状態が、『セブン』という映画を心地よいものとして受け入れたのかもしれません。

 あれから、15年経ってみた『セブン』には、やはり名作だと思いましたが、なぜだか、かつてのようには、アメリカも、自分の人生も見出すことが出来ませんでした。

 たぶん、あの頃より、今のほうが、私が少し幸せになった、ということなのだと思います。