兵庫ゆかりのプロスポーツ選手を起用した、SNSでの誹謗中傷防止の啓発ポスター(兵庫県提供)

 交流サイト(SNS)での誹謗中傷が社会問題化しているのを受け、兵庫県は夏休み期間に合わせて啓発動画を集中的にX(旧ツイッター)やユーチューブに発信していく。また、地元のプロスポーツチームと連携し、選手によるメッセージ動画とポスターも制作。SNSのリテラシー向上につなげる取り組みを推進する。

 SNSでの誹謗中傷は昨年以降、兵庫県政をめぐっても後を絶たない。斎藤元彦知事らへの告発文書問題では、知事選前後に県議会調査特別委員会(百条委員会)の委員への攻撃が激化し、県議を辞職した元委員が今年1月に死亡した。元委員は自死とみられる。知事会見で斎藤知事に批判的な質問をする記者らも攻撃対象になり、担当替えの検討や取材活動が制限されるような事態も生じている。

 県は本年度にSNSの対策事業を強化し、SNSの視聴時間が増える長期休暇に合わせた啓発運動を始めた。夏はゴールデンウイークに続く第2弾で、期間は7月23日~9月22日。「匿名なら何を言ってもいいの?」「その発信、プライバシー侵害では?」と、安易な投稿で民事・刑事上の責任を問われるリスクなどを注意喚起するアニメーション動画(1~2分程度)をX、ユーチューブ、インスタグラム、ヤフーに発信する。また、斎藤知事のメッセージ動画(50秒)をJR三ノ宮駅と神姫バス車内の電子看板で流し、県のXなどの公式アカウントには期間を区切らず常時掲載する。

 ほかに、スポーツ選手への誹謗中傷も深刻な現状を踏まえ、サッカーのヴィッセル神戸の山川哲史選手ら、県内に本拠地を構えるプロスポーツチームの4選手が出演する動画(15~30秒程度)を収録。「心ないコメントが、ずっと頭から離れないことがある」「SNSの向こうにも、人がいる」などと訴える内容で、8月1日~12月31日にSNS広告で発信する。県内各地の高校や大学、公共施設にはポスターを張り出す。

 県は本年度、誹謗中傷や差別に関する無料の弁護士相談窓口を拡充し、従来の毎週木曜午後3~5時に加え、毎月第3日曜午後2~5時にも受け付けている。県人権啓発協会TEL078・891・7877