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こちらではお初にお目にかかります。弁護士・元ロースクール教授、宮武嶺の社会派リベラルブログです。

市民団体「村山首相談話を継承し発展させる会」が高市台湾暴言の撤回を求める声明を公表したが、東郷和彦氏や植草一秀氏など親露派陰謀論者がゴロゴロ混じっていた件(-_-;)。

マイクを持って発言しているのが東郷和彦元外務省条約局長。

 

「ウクライナ戦争の最大の原因は、冷戦終結(89年)とソ連邦崩壊(91年)の最大の勝利者となった米国が、世界を自分の価値でしきろうとし、ロシアを挑発しつづけたことにある(ネオコンGW ブッシュ、バイデン)」と言うのが持論

 

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 東京新聞に

『高市首相の台湾有事発言は「宣戦布告」「対話成り立たない」 答弁の撤回を求める元外交官と学者の危機感』

という記事がアップされ、

「市民団体「村山首相談話を継承し発展させる会」は8日、国会内で記者会見し、撤回を求める声明を公表した。」

ということで読み進めようとしたら、次の文章が

「呼びかけ人として参加した東郷和彦元外務省条約局長らは口々に危機感を示した。」

とあって、ウクライナ戦争についての親露派陰謀論者丸出しの人の名前が書いてあって、頭が痛くなりました。

www.youtube.com

 「プーチンから見たウクライナ和平交渉」東郷和彦氏

 

 

 今回記者会見をされた人たちは玉石混交で、私もリアルで存じ上げている「玉」も複数おられるんですよ。

 たとえば、子どもの人権の第一人者で、安全保障関連法の違憲訴訟で原告弁護団のメンバーだった杉浦ひとみ弁護士は、中国で日本のアニメ映画の公開が取りやめになったことに触れ

「日本と中国の国民それぞれが政府にあおられて反感を持ち合うことが一番怖い」

と懸念し、市民レベルでの対話の継続に期待を込めた、ということです。

 また、世界中の軍隊の無い国を調査され、コスタリカにはご一緒した東京造形大の前田朗名誉教授(人権論)は、中国による輸入規制や観光客減少について

「高市首相があえてこの事態を作り出した。外交音痴としか言いようがない」

と指摘したそうです。

中国軍戦闘機が自衛隊機にレーダー照射。中国軍の威嚇も許されないが、高市首相の台湾有事失言は自衛隊が中国軍を攻撃すると言ったも同然の「威嚇」であることを忘れて煽る櫻井よしこ氏。

 

 

 ところが、発言した人の中に評論家?の「ミラーマン」こと性犯罪で実刑判決が確定したことのある植草一秀氏がいたのにはびっくり。

 この人はウクライナ戦争でも陰謀論ですが、その他、「ワクチン接種が日本国民の死亡数激増をもたらした」という参政党もびっくりの反ワクチン陰謀論など、ことごとく陰謀論に喰いつくので有名な人。

 植草氏は親露派陰謀論をブログなどで全面展開しているのですが、2014年のウクライナ政変(マイダン革命)を米国主導の親ロシア政権転覆と見なし、これが紛争の起点であるとしていて、さらにプーチン政権によるクリミア併合は住民の親ロシア感情に基づくもので、西側報道が一方的に非難しているだけの問題なのだそうです。

 今回のウクライナ侵略も、ミンスク合意をウクライナが履行せず(東部自治権付与拒否)とNATO拡大がロシアの軍事介入を招いたもので、バイデン政権やゼレンスキー大統領がNATO加盟申請などでロシアを挑発して、プーチン大統領の軍事介入を誘導したものだとしています。​

 そしてそもそも、ウクライナ戦争は米国軍産複合体の利益のための創作?で、長期化の責任も西側にあるというのです(呆)。

植草氏は一番左。

 

有名な陰謀論者同士の本。

植草氏への2度の性犯罪有罪判決も植草氏が小泉・竹中路線に反対していたからでっち上げられた痴漢えん罪事件なのだそうだ。

 

 

 植草氏が混じっていたら、私ならこの声明や記者会見に参加しないんですがね。

 植草氏や東郷和彦氏だけではなく、ウクライナ戦争に伊勢崎賢治氏らとともに「今こそ停戦を」と呼びかけた主要メンバーの一橋大学の田中広名誉教授や、青山学院大の羽場久美子名誉教授(国際政治学)も入っていて、さらに頭が痛くなりました。

 羽場氏は

「基本的に中国は台湾を平和的に統一すると考えている。」

というのですが、その根拠が

「何人かの中国研究者に聞いたが、『台湾併合は百年待てる』といわれた」

というのですから、ウクライナ戦争の時から相変わらずの根拠レスです。

 羽場久美子名誉教授。

 

 

伊勢崎賢治氏らウクライナ戦争即時停戦派が呼びかけた署名運動が悲惨。1日200人未満しか賛同者が増えず2週間で3000人未満。伊勢崎氏は自分が作った声明文がダメダメなことを認めて猛省すべきだ。

 

 

 村山談話の会理事長の藤田高景氏も

「台湾がむちゃくちゃな挑発をしない限り(中国による武力統一)はない」

「2027年の武力行使を騒いでいるのは米国の中央情報局(CIA)だ。調べ尽くしたが、何ら根拠がない。

 それに乗っかるのが日本の政権だ。ほとんど起こる可能性のない台湾有事を振り回すことこそ、おかしい」

と述べています。

 しかし、今回の高市発言の問題は、中国が台湾に侵攻する台湾有事がおよそありえないから問題なのではなく、台湾有事があったときに米軍に中国軍が攻撃したら、日本の自衛隊が中国に武力行使すると言ったも同然だから問題なのです。

 反戦・平和主義陣営もこんな混成部隊だと、なかなか高市発言の問題点を社会にわかってもらうのは大変です。

村山談話の会、首相答弁は「軍国主義の復活」で撤回を 台湾有事は「CIAが騒いでいる」(産経新聞) - Yahoo!ニュース

藤田理事長。この人の存在もこんな会があるのも初めて知った。

 

 

編集後記

いろんな人がいるので、大同団結と口で言うのはたやすいのですがほんとに難しいんです、市民運動や平和運動って。

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高市首相の台湾有事発言は「宣戦布告」「対話成り立たない」 答弁の撤回を求める元外交官と学者の危機感

2025年12月9日 06時00分 東京新聞
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 台湾有事に関し、集団的自衛権を行使する「存立危機事態になり得る」とした高市早苗首相の国会答弁が、日中関係に深刻な悪影響を及ぼしている。
 市民団体「村山首相談話を継承し発展させる会」は8日、国会内で記者会見し、撤回を求める声明を公表した。呼びかけ人として参加した東郷和彦元外務省条約局長らは口々に危機感を示した。(山田雄之、中川紘希)


◆高市氏の姿勢が「良いことのように国民の間で広まっている」
 東京・永田町の参院議員会館講堂で8日午後、研究者や元外交官、弁護士ら13人が一堂に会し、日中両国の関係への危機感、高市首相に発言撤回を求める思いを語った。
記者の質問に答える東郷和彦元外務省条約局長=8日、東京・永田町の参院議員会館で(久野千恵子撮影)

 東郷和彦氏は、7日に発表された中国軍機による航空自衛隊機へのレーダー照射について「敵意の表明と受け取れる。中国の怒りがいかに深いか、一つの証左だ」と説明。日中関係は「中国は撤回しない以上、絶対に許さないという立場を崩さず、緊張の一途をたどっている。どこで底打ちするか分からない状況だ」と指摘。答弁を撤回しない高市氏の姿勢が「良いことのように国民の間で広まり、危機が深まっている。対話への努力を放棄してはいけない」と強調した。
 青山学院大の羽場久美子名誉教授(国際政治学)は「高市氏は歴代の自民党内閣もしなかった危うい発言をした。歴史を見ていないのでは」と批判。「戦争を忘れた世代が多数を占めたときに戦争が始まると言われている。未来をつくる若者同士の交流を維持することが重要だ」と話した。
記者の質問に答える東郷和彦元外務省条約局長(左から5人目)ら=8日、東京・永田町の参院議員会館で(久野千恵子撮影)

 政治経済学者の植草一秀氏は、高市氏が政府の統一見解とするつもりはないとしつつ、従来の政府の立場を変えるものではないとする姿勢を「矛盾している」と指摘。「『台湾有事があれば、集団的自衛権を行使する』と受け止められる高市発言は、日本と中国が過去に積み上げてきた友好関係、外交文書に逸脱することは明白。撤回が必要」と唱えた。
 一橋大の田中宏名誉教授(日本アジア関係史)は、日本が受諾し戦争が終結した「ポツダム宣言第8項」に「日本国の主権は、本州、北海道、九州、四国などに限定される」と明記されたことを紹介。「台湾を中国に返すことが示されている。この原点を想起することが大事だ」とした。
◆アメリカ従属ではなく「独立した視点と外交を」
 高市氏は日中首脳会談の翌日の11月1日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席した台湾代表と会談したことを交流サイト(SNS)に投稿した。この点を「非礼でトランプ米大統領以上に軽率だ」と苦言を呈したのは、雑誌「世界」元編集長の岡本厚氏。高市氏は対話継続の姿勢を強調しているが「相手をリスペクトして理解しようとすることから対話は始まる。今の姿勢では成り立たない」と批判した。
11月1日、APEC首脳会議に出席した台湾代表の林信義氏と会談したことを投稿した高市早苗首相の公式X(スクリーンショット)

 カナダの平和団体ピース・フィロソフィー・センターの乗松聡子代表は、日本が日清戦争で台湾を割譲させ植民地支配した歴史に触れ「日本が台湾に介入しようとする姿は、中国からは軍国主義の再来に見える」と批判。「日本は米国に従属し軍事予算を増加させているが、中国、朝鮮、ロシアなどの隣国に対する独立した視点と外交を築くことが重要だ」と提案した。
 関東学院大の足立昌勝名誉教授(刑法)は安全保障関連3文書の改定検討の動きや防衛費の増額に触れ、「高市氏が持っている基本発想は、戦争をしたくてしかたないように映る」と指摘した。
◆「相互理解のチャンネルが閉ざされ、国民感情がどんどん悪化」
 安全保障関連法の違憲訴訟で原告弁護団のメンバーだった杉浦ひとみ弁護士は、中国で日本のアニメ映画の公開が取りやめになったことに触れ「日本と中国の国民それぞれが政府にあおられて反感を持ち合うことが一番怖い」と懸念。市民レベルでの対話の継続に期待を込めた。
 東京造形大の前田朗名誉教授(人権論)は、中国による輸入規制や観光客減少について「高市首相があえてこの事態を作り出した。外交音痴としか言いようがない」と指摘した。
記者の質問に答える(左から)東郷和彦元外務省条約局長、村山首相談話を継承し発展させる会の藤田高景理事長ら=8日、東京・永田町の参院議員会館で(久野千恵子撮影)

 名古屋外国語大の川村範行名誉教授(日中関係)は「日本が中国を公然と安全保障上の敵とみなした。東アジアの安全保障上のリスクを高めた点で極めて重大だ」と高市発言を問題視。経済交流や民間交流の停止や中断が相次ぐ状況を「経済的損失のみならず、相互理解のチャンネルが閉ざされ、国民感情がどんどん悪化していく。非常に憂いている」と危ぶんだ。
 「やむにやまれず参りました」と語り出したのは、和光大の竹信三恵子名誉教授(労働社会学)。介護現場が逼迫(ひっぱく)している状況を紹介し、「社会は生活にお金を回さなければ持たない限界が来ている。軍事費が増えて社会保障が駄目になれば、戦争が始まる前から人は死ぬことを肝に銘じてほしい。あんな発言はやめてほしい」と話した。
 日中労働者交流協会の伊藤彰信会長は「高市発言は宣戦布告にほかならない」として、「まさに戦争前夜だ。自国の首相が『戦争するぞ』と言っているのだから、主権者たる日本国民は『戦争するな』『首相発言を撤回しろ』の声を上げるべきだと思う」と訴えた。
   ◇   ◇
◆「村山首相談話」の反省に立ち返って
 「台湾有事が起こった際には日本は戦争体制に入れるということを国会で明言した初めての、日本軍国主義復活に等しい行為だ」。「村山首相談話を継承し発展させる会」の声明は、高市首相の国会答弁は、1972年の日中共同声明や従来の政府見解と異なるとして、早期の撤回を求めた。
緊急記者会見の冒頭であいさつする、村山首相談話を継承し発展させる会の藤田高景理事長=8日、東京・永田町の参院議員会館で(久野千恵子撮影)

 台湾有事と存立危機事態の認定を巡り、高市首相は11月7日の衆院予算委でこう答弁した。「戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケースである」
 これに対し声明は、「いわゆる一つの中国と台湾有事に関する質問主意書」に対する岸田文雄首相(当時)の答弁書(2023年5月9日)を挙げ、従来の政府見解と高市首相の発言との違いを際立たせた。
 答弁書では、台湾に関するわが国政府の立場は、日中共同声明第3項にあるとおり、
・「台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部である」との中国政府の立場を十分理解し、尊重する
・いかなる事態が、存立危機事態に該当するかについては、事態の個別具体的な状況に即して、政府がその持ち得るすべての情報を総合して客観的かつ合理的に判断することとなるため、一概にお答えすることは困難
とした。
 声明は1894年に日清戦争が始まり、日本による「台湾植民地化」に結びついたとした上で、日中共同声明の前文で「日本側は、過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」との歴史認識を示したと指摘。
記者会見には呼びかけ人ら13人が出席した=8日、東京・永田町の参院議員会館で(久野千恵子撮影)

 その上で、10月に亡くなった村山富市元首相の「村山談話」(1995年8月15日)の
「わが国は、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して、多大の損害と苦痛を与えました」
「改めて痛切な反省の意を表し、心からのおわびの気持ちを表明します」
を想起すべきだと説いた。
 村山首相談話を継承し発展させる会の藤田高景(たかかげ)理事長は「日本の植民地支配と侵略を認めて公式に謝罪したのが村山談話だ。中国が日本の反省の思いを受け止めたからこそ、現在までの日中関係が続いてきた」と述べ、今後も高市氏に発言撤回を求めていくとした。
◆デスクメモ
 高市首相の国会答弁が日中関係悪化の原因であることが明白な以上、なぜ、まずは発言を撤回した上で、中国側に丁寧に日本側の考えを伝えないのか。答弁から1カ月が経過し、経済、学術、文化交流にも影響が拡大している。一日も早い関係改善を強く願う。(ぶ)

 

 

 

村山談話の会、首相答弁は「軍国主義の復活」で撤回を 台湾有事は「CIAが騒いでいる」

2025/12/9 18:28 産経新聞

村山談話の会、首相答弁は「軍国主義の復活」で撤回を 台湾有事は「CIAが騒いでいる」(産経新聞) - Yahoo!ニュース

記者会見する村山談話の会の藤田高景理事長=8日午後、国会内

 

日本による「過去の植民地支配と侵略」を認めた「村山談話」の継承・発展を掲げる団体が8日、国会内で記者会見し、高市早苗首相の存立危機事態を巡る国会答弁について「台湾有事の際に日本は戦争体制に入れることを国会で明言した日本軍国主義の復活に等しい行為」と主張し、撤回を求める声明を採択したと発表した。

中国の主張や見方を代弁か
村山談話は、戦後50年に合わせて1995年に当時の村山富市首相が閣議決定し、日本が過去の一時期、「植民地支配と侵略」によって多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に「多大な損害と苦痛」を与えたとして、「痛切な反省の意」と「心からのお詫びの気持ち」を表明したもの。8日の声明は「村山首相談話を継承し発展させる会」(村山談話の会)が採択し、高市首相の国会答弁への反論として「今こそ、『村山談話』を想起すべきだ」と訴えている。

会見では、中国政府の主張や見方を代弁するかのような発言も聞かれた。

台湾有事「自衛隊仕掛け論だ」
記者会見の呼びかけ人となった、日中の労働者階級の友好と連帯を図る「日中労働者交流協会」の伊藤彰信会長は、「日本は戦争への道を進んでいる。中国の脅威をあおり、マスコミや教育が先陣を担う。労働組合も(戦時期の官製の労働者組織)『産業報国会』化している」と述べ、「首相が戦争すると言っているから、まさに戦争前夜だ。社会経済を含めた総力戦を戦う態勢が出来上がろうとしている」との見方を披露した。

村山談話の会、首相答弁は「軍国主義の復活」で撤回を 台湾有事は「CIAが騒いでいる」 - 産経ニュース

高市早苗首相の国会答弁の撤回を求める「日中労働者交流協会」の伊藤彰信会長(左端)=8日午後、国会内(奥原慎平撮影)

台湾有事については「日本の軍事介入のシナリオは『米中戦争巻き込まれ論』ではない。『自衛隊仕掛け論』だ。『中国が攻めてきた』といって『武力攻撃事態』による反撃を行うのだ」と独自の考えを示した。そう考える根拠として満州事変の発端となった1931年の柳条湖事件などを挙げ、「日本軍国主義が仕掛けた」と述べた。


武力行使を排除させる手立ては?
ただ、中国の習近平国家主席は、台湾統一は「党の揺るぎない歴史的任務だ」と語った2022年の共産党大会で、平和的統一の実現に「最大の誠意と努力を尽くしている」と述べた一方、「武力行使の放棄を約束せず、あらゆる必要な措置を取る」と明言している。

台湾では、中国による武力侵攻への懸念が強まり、頼清徳総統は今年11月26日の記者会見で、「北京当局は2027年に武力統一をなし遂げることを目標に軍備を加速している」と訴えた。

中国の台湾に対する武力行使を放棄させる手立てはあるのか─。

武力侵攻の懸念に反論「平和統一で一貫」
こうした懸念に対し、村山談話の会理事長の藤田高景氏は、「台湾がむちゃくちゃな挑発をしない限り(中国による武力統一)はない」と一蹴し、こう持論を展開する。

「27年の武力行使を騒いでいるのは米国の中央情報局(CIA)だ。調べ尽くしたが、何ら根拠がない。それに乗っかるのが日本の政権だ。ほとんど起こる可能性のない台湾有事を振り回すことこそ、おかしい」


青山学院大名誉教授の羽場久美子氏も「基本的に中国は台湾を平和的に統一すると考えている。何人かの中国研究者に聞いたが、『台湾併合は百年待てる』といわれた」と述べ、米国などの特殊な動向がない限り、中国が侵攻する可能性は短期的に見て低いとした。

伊藤氏も「中国共産党の台湾政策は鄧小平以来『平和統一』で一貫している。台湾独立を外国が支援するとき、やむを得ず武力行使するといっている」と述べ、「台湾に軍事侵攻すれば、台湾に近い中国大陸は人的被害を受ける。批判は政権に向かう。リスクを負う確率がどれだけあるか」と疑問視してみせた。

南京や731で「若者交流やめないで」
会見の呼びかけ人からは、中国との民間交流行事が中止されたとして懸念する声も相次いだ。

伊藤氏は今月13日に予定していた中国・南京訪問が中止になったといい、「民間交流も事実上途絶えた。(首相答弁への)中国側の受け止め方は深刻だ。われわれは肝に銘じないといけない」と嘆いた。

羽場氏は「広島、長崎、沖縄の若者が、夏や秋に南京や(細菌兵器開発に従事したとされる旧日本軍の)『731部隊』のミュージアムに行き、中国の若者と交流した。彼らは『中国と私たちは21世紀の未来をつくる』と言っている。中国の方々にお願いしたい。若者の交流を止めないでください」と訴えた。

村山談話の会、首相答弁は「軍国主義の復活」で撤回を 台湾有事は「CIAが騒いでいる」 - 産経ニュース

高市早苗首相の存立危機事態を巡る国会答弁撤回を求める緊急記者会見=8日、国会内(奥原慎平撮影)


南京事件は「氷山の一角」
村山談話は不十分だと主張する声も上がった。

「ピースフィロソフィーセンター」の乗松聡子代表は、村山氏について「歴代総理の中で一番マシ。中国の人は日本人以上に村山談話を覚えている」と述べた上で、「必ずしも十分なものではない。閣議決定であって、国会決議ではなく日本人の総意で示されたものではない」と語った。

その上で、中国側の首相答弁に対する反応について「歴史問題だ。抗日戦争の屈辱がよみがえったと感じている」と指摘した。「南京大虐殺は氷山の一角だ。戦後80年で許せる罪では到底ない。それなのに中国は日本の軍国主義と日本の人民を分ける形で積極的に許してくれた。台湾には絶対介入するなよと約束を取り付けて復活した日中関係だ」と1972年の日中国交正常化を振り返った。

戦争を起こさせない政策を
元外務省条約局長の東郷和彦氏は、中国海軍の戦闘機による自衛隊機へのレーダー照射について「中国の怒りがいかに深いかの証左だ」と指摘した。

その上で、東郷氏は高市政権に対し、こう注文した。

「一つ言えることは対話に対する努力を放棄しないこと。(会場の)皆さんの評価は分かれるかもしれないが、首相は中国と戦争したくて、ああいう発言をしたとは思えない。責任ある国家として日本がやるべきは『戦争しない』とは違って、東アジアで『戦争を起こさせない』政策ではないか」(奥原慎平)

 

 

高市首相の台湾有事発言は「極めて危険」「憲法にも反する」、有識者らが撤回求める緊急声明
会見の様子(2025年12月8日、弁護士ドットコム撮影)

高市首相の台湾有事発言は「極めて危険」「憲法にも反する」、有識者らが撤回求める緊急声明

台湾有事をめぐる高市早苗首相の国会答弁について「従来の政府見解と異なり、憲法や国際法に違反する」などとして、学者や元政府高官、弁護士らが12月8日、東京都千代田区の参院議員会見で記者会見を開き、発言の撤回を求める声明を発表した。

●日中関係の緊張が高まっている

高市首相は今年11月、台湾有事の際に集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」に該当し得ると国会で述べ、国内外に波紋が広がっている。

中国側は日本への渡航自粛や海産物輸入停止などの対抗措置を打ち出すなど、学術・民間交流の停滞も生じはじめている。日中関係は急速に緊張を高めている状況だ。

さらに12月6日には、中国軍戦闘機が沖縄本島南東の公海上空で、対領空侵犯措置中の航空自衛隊F15戦闘機に対して、2度にわたり断続的にレーダー照射を実施したと報じられている。

 
 

●「憲法9条や国際法にも違反する」

会見を開いたのは、有識者らでつくる「村山首相談話を継承し発展させる会」。藤田高景理事長が声明文を読み上げ、高市首相の発言を強く批判した。

声明文では、発言が1972年の日中共同声明や歴代政府の立場から逸脱しており、中国からの強い非難を招いていると指摘する。

また、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であるという中国の立場を日本が尊重するとした「日中共同声明」の内容や、ポツダム宣言8項(戦後日本の領土の枠組み)の立場を堅持する必要性を強調。発言は、憲法9条や国際法に照らしても反するとした。

●「高市首相は中国と戦争したいわけではない」

元外務省条約局長の東郷和彦さんは会見で、自衛隊機に対するレーダー照射事件について「日中関係が非常に深刻な状態にあると受け止めなければならない」と分析した。

そのうえで「高市首相は安倍晋三首相でも言わなかったことを発言してしまった。ただし、本気で中国と戦争をしたいわけではないと考えている。外交は武力を使わず、抑止と対話が本義。日本が責任ある国家としてできる戦略を考えていく必要がある」とした。

青山学院大学名誉教授の羽場久美子さん(国際政治学)も「中国と台湾の紛争に、日本が攻撃されていないのに乗り出せば、国際法や憲法に反するということを強調しておきたい。高市首相の発言はきわめて危ないもの」と語った。

●「日中の外交の積み重ねを逸脱する発言」

政治経済学者の植草一秀さんも「日本と中国が過去に積み上げてきた友好関係、あるいは外交文書から逸脱するということは明白」「日本経済や国益を重視する立場からも、過去の外交の積み重ねを逸脱した発言をしたことについて、高市首相は発言を撤回するということが必要だと思う」と述べた。

和光大学名誉教授で、ジャーナリストの竹信三恵子さんは、現在の日本社会が少子高齢化やケア労働の危機など多くの問題を抱えている中で、軍事費増大が生活を圧迫していることに懸念を示した。

一方で、登壇者からは、中国がただちに台湾に対して武力行使する可能性は低いという見方が相次ぎ、高市首相の発言撤回と、日中間の対話を求める声が上がった。

 
 
 
 

 

 

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