【平安名純代・米国特約記者】米軍普天間飛行場の返還を巡り、米国防総省が2025年9月に米政府監査院(GAO)に提出した公式回答文書で、名護市辺野古の代替施設では能力が不足するため、代替となる「長い滑走路」が選定されるまで普天間飛行場は日本側に返還しないと明記していたことが14日までに分かった。名護市辺野古に代替施設が完成しても、普天間返還が実現しない恐れがある。

 

条件が満たされなければ普天間を返還しないと公式文書で言及するのは初めてとみられる。

 文書は、名護市辺野古の代替施設の滑走路が普天間より短いことに触れ、普天間の任務の一部は受け入れられないと説明。これらの任務を支えるため、長い滑走路を確保する必要があるとし、日本政府と協議を継続しているとした。

 その上で国防総省は、「代替となる滑走路」の選定の最終責任は日本政府にあるとし、選定が完了するまで普天間は日本側に返還されないと踏み込んで明記した。

 日米両政府は13年4月の統合計画で、代替施設では再現できない長い滑走路による活動に備え、緊急時に民間施設を使用できるよう改善することを返還の前提条件の一つに掲げている。

 今回の回答は、この条項の履行が返還に直結することを米側が明示した形だ。

 政府監査院は17年の報告書で、新基地の滑走路短縮に伴う能力面の不足を指摘し、任務要件を満たす「他の滑走路」を選定するなどして是正するよう国防総省に勧告していた。

 普天間返還を巡っては、17年に稲田朋美防衛相(当時)が「条件が満たされなければ返還されない」と国会で述べ、波紋を呼んだ経緯がある。