
2018年9月30日に投開票が行われる沖縄県知事選挙。
誰が見ても、その最大の争点は、辺野古への新基地建設を認めるか否かのはずです。
ところが、自民党・公明党などの推す佐喜真候補が辺野古への基地建設についていいとも悪いとも言わないという争点隠しをしていることが話題になっています。
もし万一この人が沖縄県知事になったら辺野古への基地建設を認めるのは火を見るより明らかなのですから、そう言ったらいいのに、公開討論でもマスコミからの質問にも、辺野古についてはちゃんと答えないのです。
「対決より対話」
これしか言いません。
(もちろん、自分が日本最大の右翼団体日本会議のメンバーであることもごまかしているそうです。宜野湾市議会で明言しているのに。)
沖縄県知事選、保守系候補の佐喜真前宜野湾市長は日本会議の会員!!「平成24年9月10日ぎのわん市議会だより」で明言。

この争点隠しのやり方は、菅官房長官が名護市市長選挙で指南して選挙に勝てたということで取っている戦術だというのですが、たとえば、菅官房長官は佐喜真陣営への応援演説に行って
「携帯料金の値下げ」
を訴えたのだそうです(笑)。そんなん、沖縄と関係ないやろ(笑)。
自民党随一の人寄せパンダ、小泉進次郎氏は選挙演説では必ずご当地の話題を盛り込むことで知られていますが、沖縄で話したのは
「安室ちゃんの引退」
これ、沖縄には関係あるけど、県知事選には全く関係ないやろ(笑)。
目下緊急の最重要政治課題について一言も触れられないような候補や政党に、安心して政治を任せることができますか?
意見がないか、自分の意見を言うのがそんなにはばかられるなら、そもそも選挙に出るべきではないでしょう。

安室奈美恵さん、故翁長前知事に「お疲れさまでした」と語るも、基地については触れず
この日は歌手の安室奈美恵さんの芸能界引退日。進次郎氏は、一か所目の県庁前の街宣で「最近、本当に驚くことがいっぱいあります。まさか、この沖縄の知事選挙、そして今日、私が街頭演説に来るこの日が安室奈美恵さんの引退の日になるとは誰も想像していなかったでしょう」と切り出し、すぐ近くの琉球新報社ビルに張り出された安室さんの大きな写真を見ながら「本当にお疲れ様でした。ありがとうございました」と続けた。
二つ目の「まさか」は沖縄県知事選について。「もう一つの『まさか』がこの時期に沖縄県知事選挙が行われるとは思いませんでした。今まで知事として本当に命がけで、ご尽力をされた翁長知事に対しても『お疲れ様でした』と言いたいと思います。本当にありがとうございました」と進次郎氏は、安室さんに対する言葉と同じ言葉を繰り返した。
しかし、こっちが「まさか」と言いたいほど驚いたのは、翁長知事が「命がけで尽力」したはずの辺野古新基地反対についてはまったく触れなかったことだ。2か所目の街宣で進次郎氏は「命をかけて、この沖縄県を何とか前に進めたいと頑張って来られた翁長知事、本当にお疲れ様でした」と語ったが、命をかけて取り組んだ新基地建設阻止がなぜ「何とか前に進めたい」という抽象的表現にすり替わるのか。
2か所目での街宣後、進次郎氏を直撃した。「辺野古に触れない理由は何ですか」と聞いたが、無言のまま車に乗り込んで走り去った。3か所目でほぼ同じ街宣をした後にも再び直撃。今度は車内で窓越しに聴衆に手を振る進次郎氏に向かって「翁長知事の名前を出しておきながら、辺野古に触れないのはなぜですか」と聞いたが、視線も表情もまったく変えることなく、何も答えなかった。
県知事選とは無関係の内容をダラダラと話し続ける進次郎
県民は、進次郎氏が新基地問題についてどう思っているのかを知りたがっている。しかしそれについてはまったく語らずに、県知事選とは関連性が乏しいことをダラダラと話し続けていた。約10分間の街宣では、辺野古の「へ」の字も言わない代わりに、プロゴルファーの宮里藍さんと安室奈美恵さんの引退については次のように詳しく語ったのだ。
「2つ目。まさか宮里藍選手が30代前半で昨年引退を表明するとは思わなかった。まさか安室奈美恵さんが40歳で引退をして新たな道を行く。しかし今は驚きかも知れないけれども、これからの日本で当り前の生き方を宮里さん、安室さんがこれから沖縄から始めてくれたということなのです」
「宮里さんに新たな人生があるように、安室奈美恵さんに新しい生き方があるように、これから誰もが何歳でも新しい生き方を選択できる。『人生100年時代の新しい生き方』をこの沖縄から始めていくというメッセージを私は今回感じることができました」
スポーツ選手や歌手が30代戦半から40歳で引退して新たな生き方を始めることと、一般庶民が何歳からでも新しい生き方を選択できることとはあまり関係がない。別世界の話を並べ合わせて「人生100年時代の新しい生き方を沖縄から始める」という“お伽噺”に終始したのだ。
自民党総裁選でも石破候補を支持することを投票前日にやっと表明したり、「歯切れの良さ」で売っていたはずの小泉進次郎議員の株価はダダ下がりですなあ。
それにしても必勝態勢のはずの沖縄県知事選挙にこんなだらしない(しかも日本会議の)候補しか持ってこられないとは、保守陣営も苦労しているわけです。
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