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こちらではお初にお目にかかります。弁護士・元ロースクール教授、宮武嶺の社会派リベラルブログです。

世界の人口が70億人を突破 食糧安全保障の1点だけでもTPP参加はやめるべきだ



国連の推計で、世界人口が10月31日、70億人を突破します。

インドに旅行したときに、カルカッタで巨大な電光掲示板があり、なんの数字が動いているのかと思ったらインドの人口数でびっくりしたのを思い出します。

世界人口が10億人を超えたのは、まだインドが大英帝国の植民地だった1804年。その後、30億人に達するまでに155年かかりました。しかし、50億人になったのは1987年で30億人から50億人に達するまでに要した時間は、たったの28年。さらに20億人増の70億人に達するまでに24年しか経っていません。

今後の人口推計(中位推計)では、2050年には93億人に達 し、80年代には100億人を超える見通しです。



この人口の爆発的な増加は地球環境の悪化、エネルギーや資源の乱開発・枯渇といった多様な問題を引き起こすでしょう。

特に、水と食料の問題はすでに世界各地で顕著になり、すでに社会不安や飢餓や紛争を引き起こし、体制変革さえもたらしています。 

世界が直面する人口、食料問題の解決に向け、食料を安定的に生産する食糧安保を、我が国の安全保障問題の中核に据えるべき時です。

(今、地球はこんな感じ。。。。?)

 


地球上には、今現在、人口が1億人以上の国は世界に11カ国ありますが、この中で、飛び抜けて穀物自給率が低い国が日本で、たった28%しかありません。

次に低いメキシコは68%と、それでも日本の2.4倍の水準です。その他の9カ国のうち、150%の米国を筆頭に100%を超えている国が6カ国で残り3カ国も8割を超えています。

日本は実質的には飢餓の危機に直面していると言えます。

(もし国産品だけで三食まかないとしたら・・・という農水省のシミレーション。これはたまらん!)




この爆発的に増える人口に対し、今後の世界の食料生産は決して安心できるものではありません。穀物生産量は需要の増加とともに増加してはいますが、今、現に進行中のタイの洪水のように、近年は異常気象によって世界各地で自然災害が多発し、不安定さを増しています。

昨年にはロシアやウクライナが干ばつ被害を受け、小麦や大麦の輸出禁止や輸出枠の設定などを行ないましたし、オーストラリアでの干ばつや洪水なども発生し、穀物価格の高騰を招きました。

アフリカなどの飢餓も悪化の一途をたどっています。




日本の場合、不作への備えとなる穀物在庫は近年、適正在庫率(年間消費量の17%)は上回っているものの低下傾向にあります。農水省は今年発表した「世界の食料需給見通 し」で、20
20年の穀物在庫率は適正水準を割り込む15%と予測しています。米、小麦、トウモロコシ、大豆といった主要食料の価格は、2008年に比べ3割前後上昇するという試算もあります。

かつてフランスのドゴール大統領は「食料を自給できない国は独立国ではない」と述べ、フランスは今も、100%を超える食料自給率を維持し続けています。日本は食料自給率の向上目標を掲げてましたが、自給率はカロリーベースで40%を切って低下中です。


 

 


ところで、来月11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)を目前に控え、今まさに重要局面を迎えているのがTPP(環太平洋経済連携協定=Trans-Pacific Partnership)です。

 このTPPとは2006年5月にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4カ国加盟で発効し、2010年には当初の4カ国に加え、米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアが交渉参加した経済連携協定です。

 このTPPについてはいろいろな議論がありますが、この協定に参加しても「日本の食糧自給率は下がらない」と主張する人はさすがにいません。

もし、日本がTPPに参加すれば食料自給率がさらに低下することだけは、誰も争いようがない紛れもない事実です。



オバマ大統領は昨年1月の一般教書演説で、「今後5年間で輸出を倍増させる」構想を打ち出しました。その柱が韓国などとの二国間貿易協定=FTAやこのTPPなど各国との経済連携です。

TPPでは2015年までに加盟国間の貿易で、農業品、知的財産権、労働規制、金融、医療サービス、工業品などをはじめ、全品目の関税を10年以内に原則全面撤廃することを目標としています。

これに参加すると日本は実質的に関税自主権を放棄することになります。

野田・オバマ日米首脳会談はわずか35分の儀式 普天間基地移設問題に中途半端な「結果」は必要ない




野田首相は、TPPの交渉に参加する意向を固め、11月12、13両日にハワイで開かれるAPEC首脳会議の際に、関係国に交渉参加を伝達する方針です。

政府関係者によると、野田首相は、TPP参加に慎重な鹿野農水相と極秘の会談を重ね、鹿野農水相は、最終的に交渉参加を容認する考えを示唆したといいます。

これを受けて野田首相は、TPP交渉に参加する意向を固め、記者会見などの形で国民に説明し、APEC首脳会議の機会に、シンガポールのリー・シェンロン首相と会談し、参加方針を伝達し、交渉参加は国際公約にするというのです。

(美味しい日本米でも、長粒米にはともかく、寿司米にも使えるカリフォルニア米には圧敗するかもしれません。放射能汚染の心配もないし。。。。)




民主党の輿石幹事長のように「(野田首相が11月)11日に日本を離れるのに、10日には方向性が出てないのでは困るでしょ」「APECのあとも国民と議論する時間は十分ある」などと、交渉に参加しても中身が悪ければ離脱すれば良いなどと言う人がいますが、そんな無責任なことをすればかえって国際的な信用を落とします。

交渉途中での離脱など、できるわけもないし、すべきでもありません。それくらいなら最初から交渉に参加しないでおくべきです。

また、日本の工業製品輸出と農水産業とどちらが大切かという人もいますが、今、輸出において最も大事なのは為替、つまり円安誘導であり、TPPに参加したからと言って爆発的に輸出が増えるわけでもありませんし、逆に食糧安保は全国民の問題で、農林水産業に従事する人だけの話ではありません。




アジア太平洋と言っても、世界1位と2位の人口でこれから最も発展する中国(香港を含む)もインドも、アジアの中心である韓国もタイもインドネシアも台湾もフィリピンも参加していないんですから、無理することはありません。

それでなくても東日本大震災と福島原発事故で大打撃を受けた東北地方をさらに痛めつけることにもなります。

TPPは医療、労働など様々な問題点を含む協定ですが、とりあえず、農業、それも食糧安保の1点だけ見ても、絶対に参加すべきではないと考えます。

読売新聞は社説でTPP参加のため土地を奪う目的で、零細農家を補助金の対象から外せと主張する冷血新聞だ

(交渉に参加したが最後、抜けることもほとんど駆け引きすることも出来ないでしょう。アメリカがそんなに甘いわけがない)

 

 

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