
今日は、関学ロースクールの少年法第3回の授業でした。
前回は、今やっている事件ということで、見通しが甘く手を抜いたがゆえに少女が少年院に送致されてしまった(私の目の前でパトカーに乗ってしまった)事件の話をしているうちに、どうしても、涙が出てきてしまいました。
関学ローの生徒さんたちは優しいので、いろいろメールをくれましたが、中に、「先生、弁護士を辞めないでください」というのもあって、「俺、少年事件を辞めようかと思うとはいったけど、弁護士を辞めるっていったっけ??」と、ちょっとびっくりするような励ましもありました。
今日は、1985年発生した男子高校生ら6人に対する、超有名な少年えん罪事件「草加事件」の話で終わりました。
当時は高校生達による、集団での強姦殺人事件として立件されました。
捜査機関側が、血液鑑定結果を「隠した」がゆえのえん罪事件です。その当時の主任検事が、行列のできる法律相談所で、「日本の母」と呼ばれた弁護士なので、私、もう吼えまくっちゃったわけです。無数の政府審議委員をやっていて、今度できた消費者庁の消費者委員会委員長に内定してましたからね。まさに鉄でできた皮で顔をガードした方、といえるでしょう。
被害者は真実が最高裁で明らかになるのに15年かかり、無実の罪で少年院にいって、その後も後ろ指を差され続けて生きてきた、青春を奪われた男性達だけではない。
我が娘を失った上、無理な捜査で15年後に、えん罪とわかり、今から真犯人を探そうとしてもどうしようもない、被害者遺族もたいへんな苦しみでしょう。
というわけで、この話をすると怒りを禁じえず、どうしても吼えてしまいます。
授業が終わった後、2年目の付き合いになるロー生に
「先生って、泣いてるか、吼えてるか、だけですね。ほか、ないですね
。」とズバッといわれました。
表現方法が、泣くか吼えるしかないって、ほとんど病気じゃん。
自分では感情の起伏が激しいと思っていたけど、実は、感情の選択肢が2つしかないだけの、という珍しい単純な人間だということがわかってしまいました。