
本日、2018年3月26日午前の参院予算委員会で、民進党の増子輝彦氏が安倍首相に、森友学園の問題に関する妻昭恵氏の説明責任について問いただしました。
すると安倍首相は、
「妻がどう答えたのか、どう考えたかについては全て私が答えている。総理大臣の責任として極めて重い答弁をさせていただいている」
と述べ、昭恵夫人は説明責任は果たしていると強弁しました。
野党は昭恵氏の証人喚問を求めているが、実現する見通しは立っていないため、増子氏は昭恵氏が記者会見するよう提案しました。
しかし、国会が国政調査権に基づき、昭恵夫人を証人喚問ないし参考人質問することと、昭恵夫人自身が好き勝手に記者に話すのとでは全く意味が違いますから、この質問は腰砕けもいいところで、きわめてナンセンスです。



この増子という人が今の民進党の幹事長らしいんですが、最初から証人喚問をあきらめて、安倍首相と昭恵夫人で話し合って昭恵夫人が記者会見したらどうかとか、全く呆れて物も言えません。
しかし、安倍首相はこの提案に対しても
「妻が会見するのと違い、私が答弁するというのは政治責任が伴う」
などと主張し、今後も昭恵氏の問題については首相自身が説明し、昭恵氏の記者会見は必要ないとの姿勢を示しました。
政治責任と言いながら、昭恵夫人が人前で森友学園事件について話すと、自分の政治的立場が危うくなると思うからひたすら拒否しているわけで、笑止千万です。




そもそも、安倍首相が昭恵夫人の代わりに話せるものでしょうか?
よく裁判で、証人尋問という手続きが行われますが、これはその証人だけしか知りえないことを話すことに意味があるのであって、妻の代わりに妻に聞いてきた夫が証言台に立つというわけには、原理的にいかないものです。
また、証人喚問なり参考人質問というのは、その証言をする時の様子や、反対尋問された時の受け答えで、話している内容の信ぴょう性が確認できるものであり、昭恵夫人の代わりに安倍首相が話すのでは、全く役に立ちません。
ことに、それが国会での証人喚問となれば、嘘をついた場合には刑事責任を問われるのですから、記者会見とは全く質が違いますし、安倍首相が言う政治責任よりはるかに重い重圧下で話すわけで、非常に大きな意味があるのです。
というわけで、安倍首相が自分が昭恵夫人の代わりに話すのは政治責任を伴うから意味があるという主張は誤魔化しもいいところですし、記者会見したらどうかという増子議員の提案も馬鹿げています。
ことは、時の権力者とその配偶者が行政過程に関与して、その中立性を歪めたのかどうかという、民主政治にとって非常に重大な問題です。
安倍昭恵夫人は、絶対に国会での証人喚問で、事の真相を話すべきです。

安倍首相の言い訳も噴飯ものですが、「追及」する側の野党の出来の悪さにも唖然とします。
こんなことで、国民が求めている真相究明なんてできるのでしょうか。
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首相「改ざんの指摘やむを得ない」 森友決裁文書で
- 2018/3/26 12:00 日本経済新聞
安倍晋三首相は26日午前の参院予算委員会の集中審議で、財務省による学校法人「森友学園」の決裁文書書き換えについて「改ざんという指摘を受けてもやむを得ないのではないか」と述べた。政府はこれまで文書を「書き換えた」と説明しており「改ざん」との認識は示していない。首相は「なぜ改ざんされたのか明らかにしなければならない」とも語った。
首相は再発防止に向けて「全容を解明し、組織を根本から立て直していく。首相としてその責任を果たしていく決意だ」と強調した。野党が求める昭恵首相夫人の説明は「私がこの場で責任を持って答えている」とし、不要だと強調。「(昭恵氏に)これを聞いてもらいたいと私に言っていただければ、私が答える」などと語った。
27日に予定する佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問では、誰が書き換えを指示したのかなどが焦点になる。佐川氏は財務省理財局長当時に森友学園問題の国会答弁を担当。財務省は佐川氏の答弁に合わせて文書を書き換えたと認めている。
財務省の矢野康治官房長は26日の予算委で「首相官邸も麻生太郎財務相も全く指示もしていないし、関知もしていなかった。紛れもない事実だ」と述べた。野党は書き換えに首相や麻生氏のほか、首相政務担当秘書官の今井尚哉氏らが関与した可能性を指摘している。
太田充理財局長は「(書き換えは)本省の理財局の指示で行われた。理財局の一部の職員と判断している」と説明した。佐川氏について「一部の職員の中に入っていると認識している」と指摘。佐川氏が書き換えを指示したかどうかは「今後の調査、捜査を待たなければならない」と述べた。
太田氏は財務省内の調査を通じ、文書を書き換えた日時や実行者は確認できたと話した。「一番のポイントは指揮命令系統だ。それをきちんと把握したうえで調査結果として報告したい」と語った。現時点で誰が書き換えを指示したのかは特定できていないとの認識を示した。
自民党の武見敬三、山本一太、民進党の増子輝彦、白真勲各氏への答弁。
安倍晋三首相は26日の参院予算委員会で、森友学園問題に関し、昭恵夫人による説明を拒否する考えを示した。「私がこの場で責任を持って今まで答えている」と述べた。財務省の太田充理財局長は、決裁文書改ざんを誰が指示していたのか現段階では特定できていないとの認識を表明した。佐川宣寿前国税庁長官が指示したかどうかは「今後の調査、捜査を待たなければならない」と語った。
首相は、民進党の増子輝彦氏が昭恵氏の説明責任を求めたのに対し「(昭恵氏に対して)これを聞いてもらいたいと私に言っていただければ、私が答える」と強調した。(共同通信)
籠池被告、昭恵氏に「月1回連絡」=100万円受領重ねて主張-森友問題
学校法人「森友学園」との国有地取引に関する財務省決裁文書改ざん問題で、民進、自由、社民各党の参院議員が26日午前、大阪拘置所(大阪市)で勾留中の学園前理事長、籠池泰典被告=詐欺罪などで起訴=と接見した。籠池被告は安倍晋三首相夫人の昭恵氏と月1回のペースで連絡していたとし、同氏から寄付金100万円を受け取ったと重ねて主張した。
籠池被告は昨年7月、国の補助金を詐取した疑いで逮捕されて、約8カ月間、勾留されている。
接見した議員によると、同被告は学園の小学校開設に向けた進捗(しんちょく)状況を名誉校長だった昭恵氏や首相夫人付職員の谷査恵子氏に随時報告していたと説明。昭恵氏には直接、携帯電話に連絡し、「よかったですね」と言われたこともあったという。
また、問題発覚後、財務省職員から「身を隠すように」と指示されて従ったと主張した。寄付を否定している首相については「うそを言ったらあかん」と述べた。「(拘置所から)早く出たい。国策留置のようなものだ」とも語った。
接見した社民党の福島瑞穂副党首は記者団に、「昭恵氏がどう関係していたのか、ご自身に説明してもらいたい」と語り、証人喚問を求めた。(時事通信 2018/03/26-12:38)
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