
「学生デモ 特攻の無念重ね涙」(無職 加藤敦美 京都府 86)
(朝日新聞 2015年7月18日)
安保法案が衆院を通過し、耐えられない思いでいる。
だが、学生さんたちが反対のデモを始めたと知った時、特攻隊を目指す元予科練(海軍飛行予科練習生)だった私は、うれしくて涙を流した。
体の芯から燃える熱で、涙が湯になるようだった。
オーイ、特攻で死んでいった先輩、同輩たち。
「今こそ俺たちは生き返ったぞ」
とむせび泣きしながら叫んだ。
山口県・防府の通信学校で、特攻機が敵艦に突っ込んでいく時の「突入信号音」を傍受し何度も聞いた。
先輩予科練の最後の叫び。
人間魚雷の「回天」特攻隊員となった予科練もいた。
私もいずれ死ぬ覚悟だった。
天皇を神とする軍国で、貧しい思考力しかないままに、死ねと命じられて爆弾もろとも敵艦に突っ込んでいった特攻隊員たち。
人生には心からの笑いがあり、友情と恋があふれ咲いていることすら知らず、五体爆裂し肉片となって恨み死にした。
16歳、18歳、20歳・・・。
若かった我々が、生まれ変わってデモ隊となって立ち並んでいるように感じた。
学生さんたちに感謝する。
今のあなた方のようにこそ、我々は生きていたかったのだ。
反安倍のうねり SEALDsが動かした!
決定的なのは想像力の差 彼らは利己的だから戦争反対なのか
2015年8月8日 日刊ゲンダイ
明治大学大学院の千葉泰真さん(写真)は先月31日、都内で開かれた安保法制反対集会で、「敗戦によって悲しみの底に投げ出された日本人だから持てる『二度と戦争をしない』と誓った不戦の感性がある」と切り出し、7月23日付の朝日新聞に掲載された、元予科練の加藤敦美さん(86)の投稿を朗読した。
「安保法案が衆院を通過し、耐えられない思いでいる。だが、学生さんたちが反対のデモを始めたと知った時、特攻隊を目指す元予科練(海軍飛行予科練習生)だった私は、うれしくて涙を流した。体の芯から燃える熱で、涙が湯になるようだった。『オーイ、特攻で死んでいった先輩、同輩たち。今こそ俺たちは生き返ったぞ』とむせび泣きながら叫んだ」
「この記事を読んだ後、僕は国会前に立つ時、いつも、かつての戦争に短い生涯を散らした先人たちが近くにいて、『がんばれ』と背中を押していてくれるような気がするのです。もう一度、言いたいと思います。大きな理想を掲げて培った、この類いまれなる感性を軽薄に投げ捨てるということは、あの悲惨な戦争で犠牲になったあまたの先人たちに対し、あまりに冒涜的なのではないでしょうか」
こう安倍首相を一刀両断にした千葉さんは、シールズと首相との決定的違いについて、こう断じた。
「戦争という全ての人権を否定する、人類の行いで最も愚かな行為に対する想像力が、また、その結果生じる死への想像力が圧倒的に欠如しています」
シールズの若者たちは利己的考えではなく、元特攻隊員ら戦争体験者の思いに耳を傾け、想像力を働かせながら戦争の本質を見抜いた上で、安保法制に反対しているのだ。(おわり)






体の芯から燃える熱で、涙が湯になるようだった。オーイ、特攻で死んでいった先輩、同輩たち。
「今こそ俺たちは生き返ったぞ」
とむせび泣きしながら叫んだ。
加藤敦美さんの思いに、私も涙せずにいられません。
加藤さんの投書を教えてくれた、シールズの千葉さんにも感謝です。
想えば、武藤議員だけでなく、安倍内閣の安倍さんや高村さんや菅さんや中谷さんや磯崎さんたちだけでなく、無批判に安保法案を受け入れるホリエモンや高須院長やまっちゃんなどなどに共通して欠けているのは、想像力と感性だと感じます。
「戦争という全ての人権を否定する、人類の行いで最も愚かな行為に対する想像力が、また、その結果生じる死への想像力が圧倒的に欠如しています」
うちのブログにコメントしてくださる中でもごく一部の方にはそれを感じます。
先の大戦で亡くなった方々への想像力もリスペクトも、一番欠けているのは彼らでしょう。
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