Everyone says I love you !

こちらではお初にお目にかかります。弁護士・元ロースクール教授、宮武嶺の社会派リベラルブログです。

【#参院選挙2025】京都選挙区で自民党の西田昌司氏が2位でまた当選。3位の日本共産党の倉林明子氏にリベラル左派の投票を結集しきれず。5位の山本候補に戦略的投票を呼び掛けた立民小川幹事長の責任は?

何度見てもむかっ腹が立つ、2024年京都市長選で反共統一候補が当選したときの自民西田氏、立民福山哲郎氏らの大喜びぶり。

マフィアかよ。

立憲民主党が自公国と相乗りして反共路線で辛勝した京都市長選挙。共産と協力して自公両党と対決し現職市長に大勝した前橋市長選挙。立憲民主党の支持者が望んでいるのは前橋の闘いだということは明らかだ。

より。

ぜひはてなのエブリワンブログにブックマークをお願いいたします。

ブログへのコメントも、はてなブログにてお待ちしています。

上下ともクリックしてくださると大変うれしいです。

Amazon 社会・政治・法律

Amazon Kindle ベストセラー

 

 

 2025年7月20日の参院選。

 日本共産党は選挙区では現有の3選挙区の議席維持を目指したが、埼玉、京都で敗れ、勝ったのは東京だけでそれも私も投票した吉良よしこさんは6位。

 5議席の獲得を目標とした比例選でも苦戦が目立ち、生き残ったのは小池晃書記局長ら2人だけ。

 選挙前の改選議席数は7つだったのに、それが4つも減らして、3つになるという大敗です。

 共産党の田村智子委員長は7月20日、東京都渋谷区の共産党本部で記者会見を行ない、自民・公明両党の議席大幅減を「歴史的な結果だ。心から歓迎する」などと言っちゃってるし、しんぶん赤旗の見出しも
 
 
となっているんですが、日本の行く末にとってこれは暗雲垂れ込める結果です。
 
参議院選挙、全当選者が確定 自民39・立民22・国民17・参政14 - 日本経済新聞

 

 そういう日本共産党の大状況は置いておいて、また別の機会に書くこともあるかと思うんですが、どうにも釈然としないのは京都選挙区での立憲民主党の戦略的投票なるものの呼びかけです。

 立民の小川幹事長は投開票まであと3日という7月17日に以下のような投稿をして、共産の現職の倉林明子候補を差し置いて、共産などの支持者に立民の新人候補への戦略的投票を呼びかけました。

『京都の西田さんは裏金400万円、 ひめゆりなど歴史修正主義的考え、独特の経済政策、この方は本当に京都府民の多くを代表しての発言なのか、とかねてより疑問に思うことも。

 報道によれば京都は先頭の維新候補に次ぎ、残る最後の2議席目を西田さんと立憲山本わかこが接戦、激戦との分析も。

 誠に厚かましい。

 しかしあらゆることを乗り越え、比例は各支持政党。

 選挙区は対西田大同団結で、山本わかこへの集中。

 この際大同団結の投票集中をお願い出来ないだろうか。

 誠に厚かましいことをよく自覚しつつ。』

 今日書きたいのは、これまでの経緯からして、立民にこんなことを言う資格があるのかってことなんです。

[parts:eNoztDJkhAMmY3OmVEtz89Q0EyMAHl0DUg==]

【#だから私は倉林】立憲民主党の小川淳也幹事長が参院選京都選挙区で「対大同団結で立民新人へ集中。この際大同団結の投票集中をお願い出来ないだろうか」。西田昌司を落とすためにも【#倉林明子は国会に必要だ】

 

 

 これに対して、2024年の京都市長選挙などで無所属で出馬して惜敗した福山和人弁護士が逆にこう呼びかけました。

『京都の立憲、れいわ、社民支持の皆さまへ
 
私は2018知事選、2020と2024京都市長選に無所属で出馬した弁護士福山和人です。私は、7月20日参院選京都選挙区の倉林明子候補(共)への戦略的投票を心から呼びかけます。
最終盤、京都では維新候補がリードしており、西田(自)vs倉林(共)がラスト1議席を争っていると報道されています。
ひめゆり妄言&裏金の西田氏と核共有を公言する維新の右派独占を阻止するには、現状では倉林さん以外の選択肢はありません。
立憲の皆さんは、前回参院選で京都の共産党員の少なからぬ人たちが自党の武山彩子候補ではなく福山哲郎候補に投じてリベラル派の議席を守ったことを覚えておられるはずです。
れいわのみなさんは、過去2回の京都市長選でつなぐ京都に結集し、献身的に奮闘してくださいました。特に今回立候補されている西郷さんには感謝とエールの気持ちで一杯です。
社民のみなさんは、前回の京都市長選では現職陣営から袂を分かって、自主投票という形で我々の支援をしてくださいました。そのことの重みを私はよく理解しているつもりです。
今回は野党共同候補ではなく、それぞれが候補を擁立してたたかう形になりました。それも一つの形でしたが、最終盤の今、共倒れによる右派独占は何としても避けるべきと考えます。
私は何党の党員でもなく文字通り無所属の一弁護士としてお願いしています。私たちがこの間、京都で培ってきた共同の取り組みを発展させるために、そして何よりも人々の暮らしや平和、差別なき社会への願いを実現するために、皆さまの英断を心からお願い申し上げます🙇

【#京都市長選挙】無所属で共産・れいわ・社民支援の福山和人弁護士が、自民・立民・公明・国民民主のありえない4党相乗り候補と「横一線」(読売)、「激しく競る」(共同)【#福山和人さんを京都市長に】!

【#京都に福を】呼べ!無所属市民派の福山和人候補が京都市長選挙であと一歩!「市長は私を応援してくださる方だけでなく全ての市民の代表です」【#福山和人】【#福山和人さんを京都市長に】【#京都市長選挙】

 

 

 結果として、京都選挙区の得票数は以下の通りとなり、共産の倉林明子氏は16万3千票を取って2位の西田昌司氏まであと2万7千票の3位。

 立民の山本さんは参政党にも負けて5位に沈んでいますが12万7千票以上も取って(しまって)います。

 そして、痛恨、日本維新の会に京都で初の議席を与えてしまい、吉村洋文執行部に議席数現状維持を許してしまい致命傷を与えることができませんでした。

維新

にいみ しょうへい
新実 彰平
332,523
(28.1%)

自民
にしだ しょうじ
西田 昌司
190,104
(16.1%)

共産
くらばやし あきこ
倉林 明子
163,805
(13.8%)

参政
たにぐち あおひと
谷口 青人
142,371
(12.0%)

立民
やまもと わかこ
山本 和嘉子
127,874
(10.8%)

国民
さかい つねお
酒井 常雄
101,319
(8.6%)

れいわ
さいごう みなこ
西郷 南海子
60,733
(5.1%)

京都新聞の出口調査

 

 

 NHKの出口調査によると、

共産党の現職の倉林さんは、
▼共産党の支持層の80%台後半、
▼立憲民主党の支持層の10%あまり、
▼公明党の支持層のおよそ10%、
▼無党派層の10%あまりから支持を得ました。

自民党の現職の西田さんは、
▼自民党の支持層の40%台後半、
▼公明党の支持層の30%台半ばから支持を得ました。

参政党の新人の谷口さんは、
▼参政党の支持層の80%あまり、
▼無党派層の10%あまりから支持を得ました。

立憲民主党の新人の山本さんは、
▼立憲民主党の支持層の60%あまり、
▼無党派層のおよそ10%から支持を得ました。

とのこと。

 立憲民主党の支持層の1割は戦略的投票で倉林さんに投票してくれたみたいですね。

 

 

 福山和人さんの上記の呼びかけによると

「立憲の皆さんは、前回参院選で京都の共産党員の少なからぬ人たちが自党の武山彩子候補ではなく福山哲郎候補に投じてリベラル派の議席を守ったことを覚えておられるはずです。」

とあるんですが、そうなんですか?

 それにしては、毎度毎度、福山哲郎氏と立民京都の反共姿勢は酷いですよね。

地方選挙になるといつも西田昌司氏とめちゃくちゃ仲良さげな福山哲郎立民元幹事長(-_-;)。

 

 

 冒頭の画像がその象徴なんですが、共産が福山和人さんを支援した2024年の京都市長選をはじめとして、京都府知事選や市長選になると西田昌司氏率いる自民京都と反共スクラム選挙をしている福山哲郎氏や立民京都の候補って、「リベラル」の名に値するんでしょうか(いや、しない)。

 少なくとも、こういう立民が共産系の候補の足を引っ張りまくってきた経緯がありながら、西田昌司包囲網と称して共産などの支持者にようもまあ立民の山本さんに戦略的投票をしてくれと言うたなというか、そんなことをする資格は全くなかったとあらためて思います。

 全国を見渡すと今回の参院選1人区も17個の選挙区で共産党が立候補者を取り下げ、立民に協力したそうなんですが、それもあって共産は議席数が半減以下、立民は現状維持にしかなっていません。

 日本共産党だって社民ほどじゃないけど崖っぷち。

 (たいてい恩知らずの)立民ばかりを押し立ててやる余裕はもうないはずです。

 共産は奮起して、自党だけで選挙を勝ち抜ける体制を構築して、立民に気前よく票をふるまうのはやめたらどうでしょうか。

 

参考記事

kojitakenの日記さんより

参院選東京選挙区、「戦略的投票」の呼びかけを決めたのが立民都連執行部(手塚仁雄)なら塩村候補から猛抗議を受けて削除を議員に通知したのも都連執行部だったとの観測(呆)

立民は2024年衆院選から今回の参院選までの間に41%もの比例票を流出させる大惨敗。2022年参院選で21年衆院選の比例票を36%も流出させた泉健太時代よりもひどい負け方だった(呆)

 

 

 

編集後記

日本共産党が推していた蜷川府政が長く続くなど、共産党が強いだけに反共スクラムも凄い京都。

その他全国的に、それぞれの地域事情で、立民と共産の間には言うに言われぬいろんな関係や努力があるんだろうとは思いますが、かなりこう、すっきりしないことは言っておきたいと思います。

ぜひはてなのエブリワンブログにブックマークをお願いいたします。

ブログへのコメントも、はてなブログにてお待ちしています。

上下ともクリックしてくださると大変うれしいです。

Amazon 社会・政治・法律

Amazon Kindle ベストセラー

 

 

2025年7月21日(月)

自公 参院過半数割れ

共産党 比例2議席、吉良氏3選

「オール沖縄」高良氏初当選

 自民、公明の与党が過半数を割り込むかどうかが最大の焦点となった第27回参議院選挙(欠員補充を含め改選125)は20日、投開票され、日本共産党は比例代表で2議席を確保し、小池晃書記局長が5回目の当選を確実にしました。東京選挙区では、現職の吉良よし子氏が3期目の当選を勝ち取り、あわせて3議席を確保しました。


写真

(写真)当選確実の報道を受け、支援者と喜び合う吉良よし子氏(中央)=20日、東京都渋谷区

写真

(写真)高良沙哉氏(前列中央)の勝利を祝って万歳する人たち=20日午後9時半、那覇市

 報道各社の出口調査によると、自公両党で過半数割れとなり、衆院に続いて参院でも少数になる可能性があります。最大争点となった物価高騰対策で、国民多数が求めている消費税減税を否定。裏金問題で「政治とカネ」に無反省な態度を続けたうえ、アメリカいいなりで大軍拡をすすめた自民、公明の与党に厳しい審判が下された形になりました。

 候補者を一本化した17選挙区のうち、沖縄選挙区では「オール沖縄」の高良沙哉(さちか)氏が初当選。民意に反した辺野古新基地建設を推進する自民党に痛打を与えました。市民と野党の共闘では、秋田の寺田静、岩手の横沢たかのり、宮城の石垣のりこ、長野の羽田次郎、新潟の打越さく良、三重の小島智子、愛媛の永江孝子、徳島・高知の広田一、大分の吉田忠智、宮崎の山内かなこ、鹿児島の尾辻朋実の各氏が当選を確実にしました。

 日本共産党は参院選で、「物価高騰に無為無策、アメリカいいなりの大軍拡、裏金に無反省の自民、公明を衆院に続いて参院でも少数に追い込み、自民党政治を終わらせる新しい政治への希望を開こう」と訴えました。

 一方、外国人を差別する露骨な排外主義を掲げる政党が伸長する見通しです。日本共産党は排外主義の潮流と正面からたたかい、共生の社会を目指すと訴え、多くの市民から共感を得ました。今後、排外主義とのたたかいは国政の重要争点となります。

共産党当確者

写真

(写真)小池晃氏(比例)

写真

(写真)吉良よし子氏(東京)

 

オール沖縄

写真

(写真)高良沙哉氏(沖縄)

 

 

共産、埼玉・京都の両選挙区で議席失う…比例選でも苦戦

 共産党は、現有の3選挙区の議席維持を目指したが、埼玉、京都で敗れ、5議席の獲得を目標とした比例選でも苦戦が目立った。

インタビューに応じる共産党の田村委員長(20日午後9時14分、東京都渋谷区の同党本部で)=伊藤紘二撮影

 選挙戦では、物価高対策として、将来的な消費税廃止に向けた緊急措置として消費税率の5%への引き下げを公約に掲げた。

 また、「参院でも自民、公明両党を少数に追い込む」(田村委員長)として立憲民主党との連携を進め、全国15の「1人区」で候補擁立を見送った。両党は候補者調整を行うことでも合意し、共産が福島、鹿児島の2選挙区で候補の取り下げを決め、一本化を図った。

 

 

参院選 京都選挙区 出口調査の結果

京都選挙区では、定員2に対して9人が立候補しました。

▼日本維新の会の新人の新実さんがきわめて優勢です。
残る1議席をめぐって
▼共産党の現職の倉林さん、
▼自民党の現職の西田さん、
▼参政党の新人の谷口さん、
▼立憲民主党の新人の山本さんの4人が争っています。

《支持政党》
ふだん支持している政党について尋ねたところ、
▼自民党が18%、
▼立憲民主党が9%、
▼日本維新の会が14%、
▼公明党が3%、
▼国民民主党が7%、
▼共産党が7%、
▼れいわ新選組が4%、
▼参政党が7%、
▼日本保守党が2%、
▼その他の政党・団体が1%、
▼特に支持している政党はない、いわゆる無党派層が28%でした。

《支持政党別クロス》
日本維新の会の新人の新実さんは、
▼日本維新の会の支持層の70%台後半、
▼自民党の支持層の20%台半ば、
▼立憲民主党の支持層の10%台半ば、
▼公明党の支持層の20%台後半、
▼国民民主党の支持層の10%台後半、
▼れいわ新選組の支持層のおよそ10%、
▼無党派層の30%あまりから支持を得ました。

共産党の現職の倉林さんは、
▼共産党の支持層の80%台後半、
▼立憲民主党の支持層の10%あまり、
▼公明党の支持層のおよそ10%、
▼無党派層の10%あまりから支持を得ました。

自民党の現職の西田さんは、
▼自民党の支持層の40%台後半、
▼公明党の支持層の30%台半ばから支持を得ました。

参政党の新人の谷口さんは、
▼参政党の支持層の80%あまり、
▼無党派層の10%あまりから支持を得ました。

立憲民主党の新人の山本さんは、
▼立憲民主党の支持層の60%あまり、
▼無党派層のおよそ10%から支持を得ました。

 

 
 4日投開票の京都市長選は、新人の松井孝治氏が初当選した。元民主党参院議員で、立憲民主党が推薦。泉健太代表は前橋市長選の候補者ともども「応援した両氏が当選」と強調する。しかし日頃、自公政権を厳しく見る人々の間に落胆と疑問が広がる。東京新聞「こちら特報部」に登場する識者の方々もだ。今回は「自公と相乗り」となったが、嘆く理由はそれだけか。(西田直晃、曽田晋太郎)

◆立民は自民・公明と同じ候補に「相乗り」だった

 

京都市役所=2021年撮影

 京都市長選で焦点となった一つが日本維新の会の動向。共同代表で大阪府知事の吉村洋文氏は昨年8月、「維新として候補者を立てる」と述べたことから、大阪府外への党勢拡大に他党は神経をとがらせた。
 立民は自公と相乗りで松井氏を推薦する形になった一方、「無所属市民派」を掲げた福山和人氏は共産が支援。維新はといえば、京都が地盤の前原誠司衆院議員が率いる新党「教育無償化を実現する会」や国民民主党ともども、元市議の村山祥栄氏を推薦したが、政治資金パーティーを巡る疑惑が浮上したため、推薦を取り消す事態になった。
 最終的には、松井氏が約1万6000票差で福山氏との接戦を制したが、この結果に立民への落胆と疑念が湧き上がっている。

◆「自民の延命に手を貸した」形

 「国会での顔と京都での顔は全く違った」。京都市在住の大島堅一・龍谷大教授(環境経済学)は嘆く。
 市長選では泉代表や福山哲郎元幹事長ら、京都を地盤とする立民の「表看板」が応援のために足を運んだ。
 大島氏は「4期16年続いた前職の路線に待ったをかけ、反自民の流れをつくれたのに、自民の延命に手を貸した。期待が大きいから言うが、二枚舌に思えてしまう」と残念がる。
 市長選前、福山元幹事長は地元紙の取材に「共産や維新に市政は渡せない」と回答していた。推薦した松井氏は2021年、「立憲民主党 私の中では”完全”に終了です」と題した月刊誌の論考で、共産との連携に傾斜する立民を批判していた過去がある。
 

京都のランドマーク「京都タワー」

 戦史・紛争史研究家の山崎雅弘氏は「党を批判した松井氏の側に立ち、自民と結束した事実は重い」と憤る。「立民幹部は『反共』の方が裏金問題の追及よりも優先順位が上か。自民党的な政治の終焉(しゅうえん)を願う支持者を失望させ、影響は国政にも及ぶだろう」と述べ、選挙の大義に疑問を呈す。落語家の立川談四楼氏も「納得できる説明がなければ、支持者の戸惑いは収まらない」と断じた。

◆「自民を倒す覚悟ない」

 落胆や疑念が膨らむ原因は他にもある。松井氏に相乗りした京都の自民といえば、西田昌司参院議員がいる。保守色が濃く、教育勅語は「日本の伝統的な価値観」と述べていた。
 学生・教員時代に京都で過ごした環境エネルギー政策研究所長の飯田哲也氏は「最悪だ」と切り捨てる。裏金問題の渦中にもおり「立民幹部の振る舞いは政治戦略上の失敗でしょう」。
 高千穂大の五野井郁夫教授(政治学)は「歴史修正主義などで立民支持者には譲れない線がある」と説き「自民との違いを打ち出せなければ、野党共闘など実現しない」と突き放した。
 京都大卒のジャーナリスト鮫島浩氏は「闘う姿勢」を疑問視する。「地方組織が弱い旧民主系議員は、選挙を取り仕切る連合の意向に逆らえない。労働政策の実現を望む連合は首長選で現職寄りで、共産とは全く相いれない。旧民主系は国政で自民と戦ったふりをしながら、足元の選挙区では手を握るという矛盾を続けてきた」と指摘する。
 鮫島氏は京都市長選の相乗りを通じ、立民の「保身」が垣間見えたと嘆く。
 「福山元幹事長は自民、共産などと二つの議席を争ってきた」と述べ、相乗りになってもお膝元の市長を当選させることで「自分自身の味方を増やしたい思惑では」。さらに「立民はかつての社会党と同様、議席の維持が最優先。相打ちになっても自民を倒すという覚悟はない」と突き放す。

◆泉健太代表「自民党いいかげんにしろですよ」

 では、立民の泉代表は何を思うのか。
 9日の会見では、立民が推した松井氏について「元民主党政権の仲間。新しい公共を提唱して非常に市民を大事にしており、信頼関係もある」とし、他党に先駆けて推薦を出したと強調した。相乗りに関しては「それぞれの政党が一緒に何か活動するという話ではない。他党も松井氏を推薦する形だったかもしれないが、独自にそれぞれ判断しているだけだ」と説いた。
 

記者会見する立憲民主党の泉代表=9日、東京・永田町の衆院第2議員会館で

 京都市長選は与野党が相乗りして「非共産」対「共産」の構図で長く争われてきた。今回も地域の事情も影響したか泉氏に問うと、「相乗りの形は京都に限らず全国にいっぱいある。党としてはその候補者と向き合い、いいかどうかを判断している。京都の特殊事情ではない」と述べた。
 そんな中でも立民に落胆の声が上がる。泉氏は立民と同様、松井氏を推した自民に矛先を向けた。
 「選挙の後半に至っては、京都の自民議員たちが裏金に関与していたとの報道がなされ、本当に素晴らしい候補者だった松井氏の選挙が接戦になった。自民党いいかげんにしろですよ」
 相乗りを残念がる人へのメッセージを尋ねると「われわれが推薦した候補に自民が乗っかる怖さは感じた。われわれの推薦後に他党からの推薦を受けることになった場合、本当にそれが正しいのか、これから候補者側にも問うていかなければならない」。立民の支持離れにつながらないか向けると「そうであっちゃいけない。やはりどこが悪いかと言えば裏金問題を起こした自民」と強調した。

◆「相乗りしてでも首長選は取りたい」

 立民の他の国会議員はどう考えているのか。
 ある若手議員は、相乗りに疑問を呈す声が届いていると明かし「有権者から見れば国政で戦う相手となぜ歩調を合わせるのか分かりにくいだろう」と想像する。一方で「地方では立民単独でなかなか勝てない事情もある。国政と地方自治は別で、政策実現や地域を良くしていくためには、やっぱり相乗りしてでも首長選は取りたい」と漏らす。
 

民進党時代の泉健太氏(左端)と福山哲郎氏(同2人目)、前原誠司氏(同4人目)=2016年、京都市伏見区で

 別の中堅議員は「京都は泉代表のお膝元。『何をやっているんだ』と批判の声が上がるのはもっともだ」としつつ、「地方の一首長選の話。国会で自民の政治とカネの問題を追及していれば、1カ月もすれば忘れますよ」と語る。京都の政治事情に詳しい議員は「京都では他の首長選でも長く『非共産』対『共産』の構図で戦ってきた。それが地域のためになるということで理解されている」と相乗り批判を一蹴する。

◆「地方では与党と手を組み、中央では政権交代、と言っても」

 ただ事情はどうあれ、旧統一教会や裏金、万博と、地方も縁深い問題が山積する。東北大大学院の河村和徳准教授(政治学)は、今こそ地方選でも旧来型の政治を問うべきだと説く。
 「地方自治は民主主義の学校と言われるが、今の立民は国政中心。代表のお膝元でも相乗りするのは地方軽視も甚だしい。地方を取ることが政権交代を目指す上での基本だが、地方で与党と手を組み、中央で政権交代と言う姿に共感は得られず、有権者に見放される」と指摘し、こう求める。
 「地方の首長選で政党中心の選挙態勢を整えなければ期待外れになる。立民は地方を含めた形での国政政党に転身する必要がある」

◆デスクメモ

 京都市長選について、泉氏の口から「自民が悪い」という言葉が出るとは思わなかった。少なくない人たちが嘆いているのは「自民との対立構図をなぜつくらなかったか」という点。それなのに、批判の矛先をそらすような言葉を発してよかったのか。ため息ばかりが漏れてしまう。(榊)
 

 

新エブリワンブログはこちら

引っ越しを完了しておりますので、ぜひブックマークをお願いいたします。

上下ともクリックしてくださると大変うれしいです。