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こちらではお初にお目にかかります。弁護士・元ロースクール教授、宮武嶺の社会派リベラルブログです。

高市首相が狙うスパイ防止法への導入編「国家情報会議」創設法案が審議入り。そもそも公文書を軽視してきた高市早苗首相がインテリジェンスを語るな。

高市早苗首相ほど公文書・行政文書を軽視してきた政治家もいない。

参議院予算委員会の末松委員長が高市早苗大臣の「質問しないでほしい」答弁に対して「敬愛の精神というのを忘れている言葉だ」と異例の強い言葉で叱責し厳重注意。ところが高市氏はまだ発言を謝罪せず(呆)。

 

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 2026年4月2日、高市早苗首相が重視するインテリジェンス(情報収集・分析)機能を強化するための「国家情報会議」創設法案が衆院で審議入りしました。

 高市首相は政府が的確な意思決定を行ううえでの情報の重要性を強調し、市民への監視強化やプライバシーの侵害にはつながらないと述べています。

 しかし、高市政権は国家情報会議の設置の先に、スパイ防止関連の法整備と対外情報庁の創設を視野に入れていて、必ずスパイ防止法案を出してきます。

 そして、スパイ防止法案は40年前に中曽根内閣が成立させようとしたときから、実は外国からのスパイ活動防止にはさほど役に立たず、その目的は市民の監視にあることは明らかです。

【#絶望禁止!】高市自民党が単独300議席?!自維連立政権で3分の2以上?!!しかし高市首相の統一教会癒着疑惑や経済無策ぶりは国会で徹底的に追及できる。そのための二院制なのだから。そして改憲とスパイ防止法を阻止しよう。

 

 

 そして実は高市首相ほど政府のインテリジェンス機能を理解していない政治家はいません。

 それは知能が低くて間抜けだから。。。ということではなくて、インテリジェンスの要は公文書の適切な作成と保管にあるからです。

 少女らの性的人身売買の罪で起訴され勾留中に死亡した米富豪ジェフリー・エプスタイン氏に関する捜査資料約300万枚が新たに開示され、エプスタイン氏とロシアの関係の深さが浮き彫りになり、エプスタインがロシアのスパイではないかという疑惑についてすでにポーランド政府が調査に着手しています。

 この事案について詳しく分析した日経の欧州駐在編集委員赤川省吾氏による

エプスタイン氏にスパイ疑惑 公文書が示すロシア情報戦の系譜 

という記事が出色の出来でした。

トランプ大統領が自分も載ってる「エプスタイン・ファイル」を公開しすぎだと長年の盟友ボンティ司法長官を解任。商務長官や労働長官も解任の意向。トランプ王朝の崩壊が始まった。

 

 

 その記事の最後がこう結ばれていたんです。

『一連の事例からわかるのは、欧州の徹底した文書管理の仕組みである。手書きのメモや私信も保管され、一定期間後は開示対象になるからこそ社会にスパイの実態が伝わる。

日本でも情報戦への関心が高まり、衆院選で圧勝した高市早苗首相はインテリジェンス機能の強化やスパイ防止法に意欲を示す。ならば公文書を軽んじることなく、管理体制を充実させるべきだろう。

これまでのように「秘密だから」「都合が悪いから」という理由で文書を改ざんしたり、破棄したりすれば後世の正確な歴史検証を妨げる。インテリジェンス活動は質の高い公文書の管理・開示とセットだと言ってもいい。』

 これまでの公文書の改ざんや破棄。

 それは高市氏も閣僚を務めた第二次安倍政権での森友事件での公文書改ざんや、桜を見る会関連の文書廃棄などを指していることは明らかです。

森友文書」欠落部分「なぜ廃棄か知りたい」と赤木さん妻 財務省「政治家に関連するもの廃棄で欠落」説明|FNNプライムオンライン

石破政権が公開し始めた森友事件文書に欠落があるのは「国会での質問につながりうる材料を極力少なくすることが主たる目的だった」(財務省)。国会は特別委員会を作って麻生元財務相や佐川元局長らを証人喚問せよ。

 

 

 つまり、エプスタインという人物がロシアのスパイかどうかを確かめようとすると、それは彼に関する文書を分析することが最重要な作業になります。

 その時に公文書が時の政権の都合で改ざんされたり破棄されたりしていたら、正確な分析もできないわけですよ。

 ところが安倍政権では安倍晋三首相や昭恵夫人の名前が出てくる文書を改ざんせよという命令が財務省の上から出て、赤木俊夫さんが死ぬほどの罪悪感にさいなまれながら安倍夫妻の名前を消していくなどということがあったわけです。

安倍晋三氏の国葬で読んだ弔辞が評判の菅義偉前首相。アベ政治を批判した学者を日本学術会議から排除し、桜を見る会の名簿廃棄も、河井夫妻と昵懇の仲なのもすべて菅氏だ。パンケーキのやり口を忘れるな。

 

 

 また、菅義偉官房長官が総責任者だった桜を見る会に、安倍首相の後援会を呼ぶとか、詐欺集団のジャパンライフの会長を招待するとか、反社の皆様を大挙して呼んじゃったなどということを隠すために、共産党議員からその質問が出たらすぐにデカいシュレッダーで公文書を破断してしまうなんてこともしたわけです。

 また、安倍政権ではアベノミクスが実は失敗していて景気が後退していることを隠ぺいするために厚労省のデータを改ざんすることもしましたし、自衛隊のイラクでの活動を誤魔化すために日報を隠すなんてこともしました。

 こんなことを日常茶飯事のようにやっていて、政府の作成した公文書が全く信用できない、当てにならないという状況で、スパイを発見して摘発するなんてことができるわけがないんですよ。

 

菅官房長官「よく確認していませんでした」。。。必要な文書は慌てて廃棄し、捨てたはずの文書は出てくる「桜を見る会」。でも再調査はしないんだって(呆)。

 

 

 

 そして、高市首相と公文書と言えば、安倍政権での総務大臣時代の行政文書を立憲民主党の小西議員から突き付けられ、ねつ造だと言い張り、本物だったら大臣も国会議員も辞めると言い切ったのに、本物の行政文書だと分かっても辞めなかった事件があったでしょう?

 つまり、高市首相とは自分に都合の悪いことが書いてあったら、公文書をねつ造だと決めつけてしまうような政治家なわけです。

 この人が低能だからインテリジェンスを語るなと言っているだけではなくてですね(笑)、高市氏は国の情報戦の要は公文書の作成と保管と公開だということ自体が全く理解できていないんですよ。

 だから、高市首相に国家情報会議を創設する資格も、その議長をやる能力も絶対ないと断言できるんです。

 高市大臣へ「放送関係のレクがあった可能性高い」… 放送法解釈めぐる行政文書で総務省が最終調査結果公表【news23】 | TBS NEWS DIG

www.youtube.com

高市早苗大臣が行政文書について「全部捏造」→「自分の出てくるところは捏造」→「レクは受けていない」→「受けたかどうか確認できない」→「受けた可能性は否定できない」→「もう質問なさらないでください」w

 

 

参考記事

村野瀬玲奈の秘書課広報室さんより

『法案そのものも国民のプライバシーを激しく侵害するものである危険性が高いですが、それを報じる報道が甘いことにも警戒しなければなりません。』

国家情報会議法案、審議入り。国民管理・抑圧など、高市早苗自民党の隠された意図と、報道の甘さに警戒が必要。 (メモ)

統一教会の要望通りスパイ防止法を作りたい自民党から日本共産党議員への「スパイ」呼ばわりは、スパイ防止法はスパイ防止に役立たないどころか言論や報道の自由を窒息させることを証明しています。

 

 

 

編集後記

車力の巨人は実はハイテク!

【#高市早苗が国難】『NHKドタキャン理由は序の口 高市首相の「嘘つき」ぶりを改めて検証する 統一教会、領収書偽造、ネトウヨデマ、経歴…』(リテラ)【#高市総理を辞めさせよう】

 

 

古来、日本でも公文書は大切にされてきました。

8世紀につくられた古事記も天武天皇(在位673~686年)が正しい歴史伝承を残すため、帝紀や旧辞を稗田阿礼に記憶させ、天武没後、元明天皇の命で711年に太安万侶が作業を再開し、翌712年正月に完成したわけです。

そして、古今東西、紙という発明も最初は全て歴史を後世に正確に伝えるために発達したわけです。

公文書軽視の高市早苗首相は1500年くらいは時代から取り残されているわけで、ドナルド・トランプに攻撃されて紙がない石器時代に戻ったようなもんなんです(笑)。

 

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[会員限定記事] 日本経済新聞

 

旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身のプーチン大統領のもとでロシアの情報戦は活発になった=ロイター

少女買春などの罪で起訴され、自殺した米富豪エプスタイン氏が絡む事件をめぐり、ポーランド政府が「ロシア情報機関」の関与を示唆した。果たしてそんなことがありうるのか。スパイ小説の世界と思ってはいけない。手段を問わぬインテリジェンス(情報の収集・分析)活動は、ロシアが伝統的に得意としてきた。情報戦の実態を公文書などの一次史料を用いつつ、歴史的かつ学術的な視点も交えて考証する。

疑い晴れぬロシアの関与 

「ロシア情報機関の作戦である可能性がますます高まった」。エプスタイン氏に関し、2月上旬にポーランドのトゥスク首相が語ったとロイター通信が報じた。エプスタイン氏はロシア出身の女性を協力者とし、英米を中心とする政財界の要人に近づかせた。状況証拠からロシアのために脅迫材料を集めていた可能性が指摘される。

19日に逮捕されたと報じられた英国のアンドルー元王子らエプスタイン氏との交流が取り沙汰される著名人は少なくない。

エプスタイン氏と交流があった英国のマンデルソン前駐米大使は解任された=ロイター

ロシア側は疑惑を否定し、プーチン体制を支える情報機関がエプスタイン氏を操っていたことを示す決定的な証拠はない。それでも疑いが晴れないのは、戦後にロシア(旧ソ連)が似たような手口を何度も使ってきたからだ。

代表的なのは1950〜60年代、在モスクワ英国大使館が舞台になった「ジョン・バッサル事件」だ。当時の英国の大使館員バッサルが性的関係を隠し撮りされて脅され、軍事機密をソ連に流した。ソ連国家保安委員会(KGB)が仕組んだ典型的なハニートラップとされる。

武力行使だけが戦争に勝つ手段ではない。冷戦期にソ連は軍事力で米国に見劣りし、経済力では日欧に引き離された。それゆえ低コストで効果をあげることのできる情報戦に傾斜していった。人権などに配慮しない独裁国家という背景もあった。

具体的には仮想敵の要人に近づき、不名誉な情報をもとに脅したり、高額な報酬をちらつかせたりして自らの意に沿うように操る。機密情報の入手やプロパガンダの発信が狙いだ。

活動範囲は全世界におよぶ。90年代に元KGB幹部ミトロヒンが英国に亡命した際、膨大な機密文書を持ち出した。英ケンブリッジ大学の研究者らの協力を得て出版された史料は「ミトロヒン文書」と呼ばれ、冷戦期における日米欧でのスパイ工作が克明に記されている。

秘密警察、ホテルを徹底監視 

最近の学術研究でソ連(ロシア)とつながる強権・独裁国家は、似たような手段で情報収集していたことが明らかになってきた。

東独の秘密警察・国家保安省が発行したプーチン氏の身分証明書(ドイツ連邦公文書館ホームページより)

ロシアのプーチン大統領は80年代、KGB将校としてソ連の衛星国家だった東ドイツの古都ドレスデンに駐在していた。中心街の近くにあったのが主に西側諸国の政治家やジャーナリスト、ビジネス客らが泊まる高級ホテル「ベルビュー」だった。

ドイツ連邦公文書館に残る当時の史料によると、KGBと連携する東ドイツの秘密警察・国家保安省がホテルを徹底的に監視した。部屋に隠しカメラ、地下室には電話を盗聴する専用ルームも設けた。ホテル従業員の多くは密告を担う工作員だった。むろん宿泊客の弱みを握り、脅迫するためだ。

ホテルの建設には日本を代表する大手建設会社が関わっていた。東ドイツに近代的なビルをつくる技術が足りず、国際水準のホテルを建てるには西側企業の協力が不可欠だった。かといって最大の仮想敵である北大西洋条約機構(NATO)加盟国を頼ることもできない。そこで情報戦への警戒心が薄かった日本企業に狙いを定めた。

スパイ活動を統括する高級将校らが記した提案書(文書番号 BArch Berlin DL226/1696、ドイツ連邦公文書館所蔵)

筆者が連邦公文書館で探し出した当時の文書によると、スパイ活動を統括する国家保安省の高級将校シャルク・ゴロトコフスキがユンカー建設相と連名で国家指導部のミッターク政治局員に対し、近代ホテルの建設を日本企業に任せるべきだと提案した。この企業は冷戦中に東ドイツで多くのビル建設を手掛け、結果的にソ連・東欧ブロックの情報戦を手助けしていたことになる。

インテリジェンス強化は公文書管理から 

スパイ活動は冷戦の終結とソ連崩壊で一時的に衰えたが、KGB出身のプーチン氏のもとで盛り返しつつある。実際に欧州各地では摘発が相次いでいる。

20年に不正会計で破綻したドイツ企業ワイヤーカードの元経営者は、オーストリア情報機関員とともにロシアに機密情報を流していた疑いがある。英国の反移民政党「リフォームUK(改革党)」の元幹部はウクライナの親ロシア派から賄賂を受け取っていた。

英国では「スパイ防止」などについて異例の特別展が開かれた(写真は会場となったロンドンの国立公文書館)

欧州の政策当局は危機感を強める。

戦後に政府中枢のエリートが次々とソ連の工作員に取りこまれた苦い経験を持つ英国では、国立公文書館が防諜(ぼうちょう)を担う情報局保安部(MI5)の協力を得て「スパイ防止」などをテーマに特別展を開いた。ソ連など外国のスパイが英国内でどう活動していたのかを機密文書(公文書)という第一級の史料で解説する異例の展示だった。

一連の事例からわかるのは、欧州の徹底した文書管理の仕組みである。手書きのメモや私信も保管され、一定期間後は開示対象になるからこそ社会にスパイの実態が伝わる。

日本でも情報戦への関心が高まり、衆院選で圧勝した高市早苗首相はインテリジェンス機能の強化やスパイ防止法に意欲を示す。ならば公文書を軽んじることなく、管理体制を充実させるべきだろう。

これまでのように「秘密だから」「都合が悪いから」という理由で文書を改ざんしたり、破棄したりすれば後世の正確な歴史検証を妨げる。インテリジェンス活動は質の高い公文書の管理・開示とセットだと言ってもいい。

 

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

  • 中林美恵子のアバター
    中林美恵子早稲田大学教授、東京財団理事長
     
    貴重な体験談 

    日本の公文書管理において、非常に重要な論点を炙り出した記事だと思う。  私の米議会上院予算委員会の勤務10年間、書類は全てが公文書だったことを思い出す。日常業務のメモは当然全てが保管対象だった。秘書が受けた電話内容の伝言メモ帳、クリスマスカード、ワイン1本の贈答品に添えられたメモに至るまで、何でもかんでも保管せねばならなかった。年に一度アーカイビストがオフィスに来てボックスに分類し地下倉庫に眠らせた。それが常識だと思っていた。  日本の公文書管理の常識に衝撃を受けたのは、安倍政権時代の「森友加計学園事件」の顛末の時である。  この記事の通り、国家を健全に保つ第一歩は、公文書管理だと思う。

     
  • 赤川省吾のアバター
    赤川省吾日本経済新聞社 欧州駐在編集委員
     
    ひとこと解説 

    歴史を正確に示すには生き証人からの聞き取りだけでなく、文書による検証が必要です。聞き取り調査(オーラルヒストリー)は歴史の「息づかい」がわかる利点があるものの、証言者の都合のいいように改ざんされてしまう恐れがあるからです。 日本で「歴史検証」といえば前者に偏りがち。公文書の管理・開示が軽んじられてきたからだと私は思います。欧州では政府・中銀はもちろん、政党や企業まで内部文書を保管し、一定期間後に開示するところがあります。 高市政権が「日本史」を大切にしたいのであれば、負の歴史であっても文書で残し、後世の検証に委ねるべきです。そこから次世代が教訓を得て、社会を変えていくことができます。

 

 

 

 

政府のインテリジェンス(情報収集・分析)能力を高める「国家情報局」の設置法案が2日、衆院で審議入りした。高市早苗首相は外国勢力の工作活動も調査の対象となると説明した。野党は集めた情報が政治利用されたり、市民への監視が強まったりすることを懸念する。

首相をトップとして、官房長官、外相、防衛相らの閣僚が参加する「国家情報会議」を創設する。インテリジェンスの案件ごとに調査や審議などをして施策をとりまとめる。「国家情報局」が会議の事務機能を担う。

国家情報局は情報収集や分析のほか、外国勢力の工作活動も調査対象とする。首相は選挙を例にあげ「外国勢力が偽情報の拡散を含む影響工作を行うことは国家の安全や国益を揺るがす脅威になり得る」と強調した。

外国勢力が日本国内の世論形成で自国を有利にする偽情報の拡散などが指摘される。首相は国家情報会議で中長期的なインテリジェンスに関する戦略をとりまとめ、公表を検討すると表明した。

日本の市民団体などの活動は「調査審議事項にはならない」と語った。中道改革連合の後藤祐一氏へ答弁した。

政府は同法案を政府提出法案のうち特に重要性が高い「重要広範議案」に指定した。首相みずからが本会議や委員会の質疑に出席する。

政府・与党は日本が置かれた厳しい外交・安全保障環境を踏まえ、インテリジェンス能力の向上を訴える。

一部の野党は国家情報局の設立に慎重姿勢をとる。情報が政治利用される可能性があると指摘する。

後藤氏は2日の衆院本会議で、政府のインテリジェンスにかかわる政策部門の国家安全保障会議(NSC)と情報部門の国家情報会議の構成員がほとんど共通だと指摘した。

「政策部門の意向で情報部門の仕事がゆがめられることが起きやすくならないか」と追及した。

首相は「情報部門の意向で政策がゆがめられることがあってはならないことは当然だ」と答えた。

「国民の安全や国益の確保に資する情報の戦略的な収集、集約、分析をはかるものであり、情報の政治利用の危険性を高めるものではない」と話した。

衆院本会議で答弁する高市首相(2日)

政府はインテリジェンス政策の一環として国家情報局に続き、外国勢力を念頭におく「スパイ防止法」の制定を視野に入れる。国民への監視につながるのではないかとの疑念もある。

中道の小川淳也代表は人権が制約されるのではないかと疑問視する。小川氏は2月に国会審議で「情報の収集・分析対象はどこまでなのか」と問題提起した。

首相は法案は行政機関相互の関係を律するもので、新たな情報収集の権限を付与するものではないと発言した。

「情報機関による一般市民への監視が強くなる懸念はあたらない」と反論した。政府による国民の監視の強化やプライバシーの侵害、表現の自由の侵害につながるという点も否定した。

外交・安保の関係者からは制度設計に注文がつく。初代国家安全保障局長の谷内正太郎元外務次官は日本経済新聞のインタビューで国家情報局について「屋上屋にならないか、国民に丁寧に説明すべきだ」と提起した。

首相はインテリジェンス政策を2月の衆院選で「国論を二分する」重要政策の一つとしてあげた。一方で外交・安保に関係する政策は与野党の共通の理解が欠かせない。

 

 

「国家情報会議」創設法案審議入り 監視強化の懸念指摘も

毎日新聞
2026/4/2 20:07(最終更新 4/2 20:07)
839文字



衆院本会議で国家情報会議設置法案について答弁に臨む高市早苗首相(右)。左は木原稔官房長官=国会内で2026年4月2日午後3時半、平田明浩撮影


 インテリジェンス(情報収集・分析)の司令塔機能を担う「国家情報会議」創設法案が2日、衆院本会議で審議入りした。高市早苗首相は「複雑で厳しい国際環境で国益を戦略的に守るため、インテリジェンス機能を強化することが不可欠」だと強調した。国民監視の強化につながるのではとの指摘に対しては「懸念は当たらない」と否定した。

 首相はインテリジェンス機関の体制強化を「国論を二分するような大胆な政策」と位置付け、法案を今国会で成立させた後、7月にも国家情報会議を創設することを目指している。

 国家情報会議は首相をトップとする閣僚級の会議体で、警察庁、外務省、防衛省など既存の情報組織の「縦割り」を排し、政府全体の情報を集約・分析する。事務局として内閣官房に国家情報局を設置し、総合調整機能を付与する。首相は「各省庁の保有する情報がより多く集約され、総合的な分析機能が強化される」と強調した。

 本会議では与野党の議員が、情報機関の権限拡大を通じて国民に対する監視が強化され、プライバシーや表現の自由が侵害される可能性について質問した。首相は、国家情報会議や国家情報局に「新たに情報活動の権限を付与するものではない」と説明。「安全保障の確保」や「テロの防止」が法整備の狙いだとし、「国家情報局が国民のプライバシー等を無用に侵害するようなことはない」などとも繰り返した。

 


 政府は国家情報会議の創設後、さらなるインテリジェンス強化策として、外国勢力による諜報(ちょうほう)活動を取り締まる「スパイ防止法」の制定や独立した諜報機関「対外情報庁」(仮称)の設置を検討している。

 首相はこれらの検討状況については「立法措置の必要性を含め、検討状況を示せる段階ではない」と述べるにとどめた。


 情報活動の基本方針となる「国家情報戦略」の策定に関しては、名称は未定とした上で「国家情報会議で、政府の中長期的な情報活動の推進方針を取りまとめた文書を作成し、公表することを検討していく」とした。【飼手勇介、田中裕之】

 

 

首相「偽情報拡散に対処」 国家情報会議法案が審議入り 野党、国会チェック訴え

2026/4/2 21:50 産経新聞

首相「偽情報拡散に対処」 国家情報会議法案が審議入り 野党、国会チェック訴え - 産経ニュース
衆院本会議で答弁する高市早苗首相=4月2日午後、衆院本会議場(春名中撮影)

 

インテリジェンス(情報活動)の司令塔機能強化に向けた「国家情報会議」と事務局を担う「国家情報局」の設置法案が2日、衆院本会議で審議入りした。安全保障上の重要情報活動や外国のスパイ活動に対応するのが狙い。高市早苗首相は、外国勢力による偽情報拡散などの工作活動も情報会議の調査対象になると説明。野党は国会のチェックが必要だと訴えた。

政府は、情報会議の創設によって外交安保に関する情報を正確に把握し、的確な意思決定につなげる考えで、7月にも発足させる方針だ。

首相は本会議で「国民の安全や国益を守るため、インテリジェンス機能を強化することが不可欠だ」と強調した。選挙での外国勢力の偽情報拡散は「国家の安全や国益を揺るがす脅威になり得る」と言及。国会の関与を巡る規定は設けないとした。

情報会議は、首相を議長とし、官房長官、法相、外相、財務相ら9閣僚で構成。情報局は内閣官房の内閣情報調査室を格上げし、トップの「国家情報局長」は国家安全保障局長と同格とする。

 

 

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