
被告人に「むかつくんですよ」=強姦致傷事件、裁判員が詰問
-仙台地裁 時事通信19日 写真は模擬裁判
仙台地裁で開かれている強姦(ごうかん)致傷事件の裁判員裁判で19日、裁判員が被告人質問で「むかつくんですよ」と語気を強め、裁判長が止めに入る場面があった。
裁判員は被告人質問でまず、被告人(39)に「二度と繰り返さないのか」と質問。同被告人が「はい」と言うと、「どのくらいですか」と畳み掛けた。
同被告人が答えられずにいると、裁判員は「即答できませんか」と再度尋ねた上で、「聞いていると当たり前の答えしか返ってこない」「(暴行の際に首を絞めたのは)両手とか片手とか関係ない。むかつくんですよ」と語気を強めた。
川本清巌裁判長が「そのあたりで」と止めに入り、裁判員からの質問は終了した。
同被告は2008年10月、宮城県内で、女子高生に暴行したとして強姦致傷罪で起訴された。
わかるなあ、この裁判員の気持ち。
殺人が人の命を奪う罪だとしたら、強姦は女性の精神や魂を肉体とともに踏みにじる罪ですからね。
僕も強姦事件の弁護、嫌だったもん。少年事件でも弁護してて哀しかったなあ。
私は裁判員制度についてはかなり言いたいことがあって賛成とはとてもいえませんが、裁判員制度反対の人が、この事件をとりあげて、一般国民には刑事裁判は無理だというとしたら、それはちがうんじゃないかな。
これまでだって、気骨のある刑事裁判官が優しく諭すばかりでなく、時には被告人を法廷で怒鳴り上げるのを見たこともあります。それは、職務として必要だと感じてやっていること。
この事件の詳細や今回の公判の詳細は一切知りませんが、「むかつくんですよ」と言われて、被告人が初めて気づく何かもあるんじゃないでしょうか。もちろん、そのへんでストップした裁判長もナイスジョブと思いますが。