
ロシアのウクライナ侵攻に抗議するデモに参加した女性=パリ、2022年2月24日、ロイター
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2022年2月24日からロシアがウクライナに本格的に侵攻し、首都キエフにもロシア軍が入ったという情勢の中、日本の改憲論者が勢いづいているのだそうです。
これに対して、日本共産党の志位委員長が以下のようにツイッターで主張しました。
憲法9条をウクライナ問題と関係させて論ずるならば、仮にプーチン氏のようなリーダーが選ばれても、他国への侵略ができないようにするための条項が、憲法9条なのです。
— 志位和夫 (@shiikazuo) February 24, 2022
これに反応したのが、しょっちゅう志位委員長にやり込められてきた日本維新の会の代表である松井一郎大阪市長(笑)。
「志位さん、共産党はこれまで9条で他国から侵略されないと仰ってたのでは?」
と突っ込んで見せたのだそうです。
あんたは他国のことよりコロナ死者全国最悪の大阪をなんとかせえ!
志位さん、共産党はこれまで9条で他国から侵略されないと仰ってたのでは? https://t.co/WMqoGYkZuj
— 松井一郎(大阪市長) (@gogoichiro) February 24, 2022
また、旧民主党政権の閣僚でありながら、二階自民党元幹事長に媚び媚びし続けてやっと自民党入りできた全方位外交wの細野豪志元環境相も
「論ずべきは、憲法9条があれば日本はウクライナのように他国から攻められることはないのかということ。残念ながら答えはノーだ」
「わが国を守るのは自衛力と同盟、そして同志国の存在。志位委員長のロジックでは他国のための憲法9条になってしまう」
と書いています。
いやいや、まず論ずべきは、憲法9条のような定めもなく軍隊を持っていたウクライナでさえロシアから侵攻されたのだから、軍事力なんて無駄なんじゃないかということです。
そして、プーチン大統領のウクライナ侵攻の動機はウクライナのNATO加盟方針にあるのですから、軍事同盟自体の有効性も問われます。


ウクライナの南部オデッサのウクライナ軍(写真:Christopher Occhicone/Bloomberg)
核保有国であり軍事大国で、しかも覇権主義のロシアや中国とどういう関係を保てば戦争を避けられるのか。
これは憲法9条があった方がいいという護憲論者にとってだけでなく、9条を改憲して日本は公然と軍隊を持てるようにすべきだという改憲論者にとっても同じく困難な問いなのです。
日本がロシアや中国に匹敵するほどの軍備を持つことは不可能だし、そんなことは日本に暮らす市民のほとんどは求めていませんよね?
それなのに、ウクライナ危機に乗じて護憲論者だけがどうやって日本の市民を守るかという問いに応えなければならないという設定自体が改憲論者の狡猾な罠なのです。

2月15日、ウクライナ東部ドネツク州での軍事演習で、対戦車ミサイルを発射するウクライナ軍兵士=AP
軍隊のない国コスタリカは国同士の戦争や紛争が絶えない中米に位置しながら、軍隊の抑止力ではなく、平時から平和外交を不断の努力で行ない、周辺の国同士の争いをおさめ、難民を積極的に受け入れるなどの貢献をして、決して他国がコスタリカを攻めようなどとは思わない環境を整えています。
いま、ロシアや中国、そして北朝鮮など核を保有していて、しかも非民主主義的な国家が存在している東アジアにおいて、日本がなすべきことは軍備拡大ではなく、憲法9条を生かした平和外交、戦争をしないさせない枠組み作りなのです。
だって、本当にロシアや中国が戦争をしかける気になったら、軍事力でそれを阻止することはほとんどの国にとって不可能なのですから。
軍隊のない国コスタリカ (母と子でみる) 早乙女 勝元
また、さらに改憲論者が問われなければならないのは、ではロシアや中国が本当に日本に攻めてくる可能性があるかということです。
ロシアとウクライナの関係、中国と台湾の関係はそれぞれ特殊なもので、日本との関係とは全く異なります。
特に、改憲論者が日本に攻めてくるのは現実問題だと喧伝する中国ですが、日中間の2020年度の貿易総額は3400億ドル余りでおよそ35兆円。
日中戦争になりでもしたら、この両国の貿易に大きなマイナスが生じますし、中国にとって最大の貿易相手であるASEAN諸国との貿易も大いに減るでしょう。
今や中国がアメリカの1・5倍以上という最大の貿易相手である日本にとって、中国との友好関係維持が死活問題ですが、中国だって日本と戦争するメリットなど一切ないのです。
ロシアがウクライナを侵略したからと言って、ロシアや中国が日本に攻め込んできたらどうすると煽る改憲論者の言っていることは非現実的であり、憲法9条を改悪して日本が軍隊を持つ理由には実は全くならないのです。

ウクライナ東部ドネツク地方の道路を走行する軍用車に乗ったウクライナ軍の兵士/Vadim Ghirda/AP
志位委員長が言った、ロシアが憲法9条を持っていたらプーチン大統領と言えども手を縛られたはず、というのは憲法の機能である立憲主義のことを言っています。
日本が憲法9条を持っていたからこそ参戦しないで済んだアメリカの戦争は多数あります。
その典型がベトナム戦争であり、日本は何度となくアメリカから自衛隊の派兵を打診されましたが、憲法9条が足かせになって、いや日本政府にとってはいい口実にもなって、日本は直接にはベトナム戦争に加担せずに済みました。
朝鮮戦争の時には自衛隊がなかったので参戦せずに済みましたし、湾岸戦争もイラク戦争もアフガン戦争も、アメリカは常に「国際貢献」を求めてきましたが、日本は憲法9条があったからこそ曲がりなりにも戦争を避けられたのです。

第二次安倍政権によって作られた安保法制によって、日本は集団的自衛権が行使できるようになってしまいましたが(アメリカが他国から攻められたら日本はアメリカを守るために参戦できる)、それでも憲法9条が歯止めにはなってさまざまな限定条件を加えさせることはできました。
そもそも、侵略戦争を禁止している国連憲章があってもウクライナ侵略は起こったから、国連憲章は無駄だ、改変しようという人がいますか?
憲法9条を大事に考え、日本が真の平和国家になっていくべきだと希求している良心的な市民は、ウクライナ危機に際して動揺せず、むしろ戦争放棄と戦力不保持を定めた憲法9条が輝いていることに自信を持つべきです。

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ロシア軍によるウクライナ侵攻を憲法9条改悪や緊急事態条項創設など改憲の口実にさせるな。むしろ米軍やNATOの軍事的圧力ではプーチン大統領の蛮行を止められなかったことを重視すべきだ。
松井氏や細野氏のような浅薄な改憲論者がウクライナ危機に乗じてはしゃぐだろうということは私も予想していたのですが、護憲論者がこんなに意気消沈するとは思いませんでしたよ!(笑)。
軍隊があれば日本を守れますか?憲法9条をなくせば日本を守れるんですか?そう改憲論者に聞いてやればいいのです。
また、護憲派は日本が攻められる側の平和な国だという意識が強すぎて、志位委員長のように日本は攻める側に回る国になる可能性が高いという意識が低いのではないでしょうか。
プーチン大統領がウクライナ侵攻を「自衛」の軍事作戦だと正当化。大日本帝国が「自衛」戦争だとして中国を侵略したのとそっくりだ。すべての侵略戦争は「自衛」目的で始まる。だから憲法9条が必要なのだ。
に書いたように、日本もかつてロシアとまったく同じことを世界相手にやったことがあるのです。
そのことは忘れないようにしたいものです。
まあ、志位さんも松井や細野ごときに言われっぱなしでいるんじゃなくて、ぜひこの記事を読んで!?ツイッターで果敢に反論してほしいですwww
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ロシアによるウクライナ侵攻を受け、共産党の志位委員長は24日、「プーチン氏のようなリーダーが選ばれても、他国への侵略ができないようにするための条項が、憲法9条なのです」とツイッターで訴えた。ツイッターには、「外国が攻めてきた場合はどうするのか」などの批判が寄せられている。
自民党の細野豪志元環境相は自らのツイッターで「志位委員長のロジックでは他国のための憲法9条になってしまう」と指摘し、憲法9条によって、日本への侵攻は止められないと主張した。
日本維新の会の松井代表も「志位さん、共産党はこれまで9条で他国から侵略されないと 仰 ってたのでは?」と投稿した。
「憲法9条をウクライナ問題と関係させて論ずるならば、仮に(ロシアの)プーチン大統領のようなリーダーが選ばれても、他国への侵略ができないようにするための条項が、憲法9条なのです」
共産の志位和夫委員長は自身のツイッターで、ロシアによるウクライナ侵攻を強く批判する一方、ネット上で一気に噴出した9条懐疑論を牽制(けんせい)した。機関紙「しんぶん赤旗」も25日付で「ウクライナ問題 日本は9条生かし力尽くせ」との記事を掲載した。
ただ、プーチン氏のようなリーダーに率いられた覇権国家が日本への侵攻を試みた場合の9条の効力は不透明だ。日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)は「志位さん、共産党はこれまで9条で他国から侵略されないと仰ってたのでは?」と反応した。
自民党の細野豪志元環境相も「論ずべきは、憲法9条があれば日本はウクライナのように他国から攻められることはないのかということ。残念ながら答えはノーだ」と発信。その上で「わが国を守るのは自衛力と同盟、そして同志国の存在。志位委員長のロジックでは他国のための憲法9条になってしまう」とも強調した。
2022年2月25日(金) しんぶん赤旗
ウクライナ問題 日本は9条生かし 力尽くせ
改憲より命と平和
参院で来年度予算案の実質審議がはじまった24日、衆院第2議員会館前で定例国会前行動が行われました。コロナ禍のもと、大軍拡と改憲に突き進む岸田政権や自公、補完勢力を批判し、「改憲よりも国民の命を守る議論を」と訴えました。
![]() (写真)「軍事費削ってコロナ対策にまわせ」「改憲発議は許さない」と訴える参加者=24日、衆院第2議員会館前 |
国会前行動
主催者あいさつした安保破棄中央実行委員会の東森英男事務局長は、コロナ禍から国民の命を守る政策こそ必要であり、「大軍拡を阻止し、軍事費を暮らしに回すよう求めるたたかいを広げよう」と提起。ロシアによるウクライナへの軍事行動に「日本は憲法9条を生かし、平和的解決に力を尽くすべきだ」と述べました。
「都立病院の充実を求める会」の前沢淑子代表委員は、コロナ禍の最前線で奮闘する都立・公社病院の独立行政法人化を阻止するたたかいを報告し、「参院選では命を守る政治への転換を」と訴えました。
憲法改悪阻止各界連絡会議の高橋信一事務局長は、予算審議と並行しての憲法審査会開会を批判。「来年度予算案、コロナ対策の議論にこそ力を尽くすべきだ。憲法改悪を阻止し、憲法が生きる社会と政治を実現しよう」と呼びかけました。
日本共産党の高橋千鶴子衆院議員が国会情勢を報告し、日米地位協定の改定など他の野党とも一致した論戦に取り組んでいるとし「みなさんのたたかいを背に奮闘したい」と表明しました。
主催は、国民大運動実行委員会、安保破棄中央実行委員会、中央社会保障推進協議会です。
2022年2月25日(金)しんぶん赤旗
どんな国の覇権主義も許さないのが現綱領の立場
志位委員長が強調
日本共産党の志位和夫委員長は24日、国会内での記者会見で、ロシアによるウクライナ侵略を糾弾し軍事作戦の中止を求めた声明に関連して、「ロシアの侵略は綱領の世界観を変えるようなものではないか」との質問に対して、「2020年の党大会で、どんな国であれ覇権主義は許さないという一点で、国連憲章に基づく平和秩序をつくるために連帯をしようという綱領への一部改定を行った」と強調しました。
志位氏は「核による威嚇ほど無法な国際法違反はない。“いざとなったら広島、長崎のような非人道的惨禍を引き起こす”という威嚇であり、およそ文明国には許されない態度だ」と厳しく批判しました。
その上で、第28回党大会(2020年1月)での党綱領改定で、「アメリカの一国覇権主義」に反対するという改定前の綱領の規定に代え、「どんな国であれ覇権主義的な干渉、戦争、抑圧、支配を許さず、平和の国際秩序を築く」という規定を打ち出したことに言及。改定時の報告でも、「いくつかの大国」には中国やロシアも含むことを明らかにしたことを強調しました。
志位氏は「いまの綱領でまさにこの問題にも根本的な対応ができると考えている」と表明しました。
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